くらし

1806年創業の和紙舗「日本橋はいばら」に聞く、和紙が伝える江戸の粋と人気商品の数々。

日本古来の植物から作られた紙、和紙。独特な風合いを生かしたさまざまなアイテムを、もっと日常的に楽しんでみませんか。江戸っ子に愛されてきた、日本橋はいばら。1806年創業の和紙舗に、その魅力を聞きました。
  • 撮影・山本 嵩

(一)和紙の魅力を支える、 いにしえの図案を、継承、復刻。

和紙といえば、鮮やかな千代紙が最初に思い浮かぶ。

「昔からの絵柄を大事にいまに伝えています。創業より現在に至るまで、多くの美術家に図案の創作を依頼して参りました。人気画家の一人、河鍋暁斎の作品も大事に継承しています」

(二)こだわりの 木版摺りが原点。 一点一点、手仕事で 仕上げる。

印刷機がなかった江戸時代、摺りものは木版摺りに頼るしかなかった。

「色ごとに違う版を何回も重ねて摺っていました。その伝統をいまも守り、木版手摺りを生かした商品を作り続けています。彫師、摺師。職人さんたちの分業によって仕上げられます」

(三)和紙で包んで、水引きを かける。それが江戸の粋。

のし袋に結ばれている「水引き」。今では印刷されているものも多いが、本来は一本一本結ぶもの。

「昔は女学校で結び方を教えていたそうです。贈り物などに自分で結びたいというお客さまのために、水引きも販売しています」。紅白、金銀の2種。(10本220円〜)

【『はいばら』で人気の商品の数々。昔の人の美意識が今によみがえる。】

1.印刷ではない水引きとのし。 「のし袋」。

1のし袋の「のし」は、「のしあわび」のこと。もともとは、本物のあわびを干して、贈り物に添えていたそうです。それが簡略化され、紙細工や摺物などの形に。檀紙と呼ばれる風合いのある特別な紙に、水引きを結んだ「檀紙たとう紅白花結」。(1,430円)

2.ぴったり名刺サイズ。 「千代紙小箱」。

はいばらといえば、千代紙。江戸時代から継承された、さまざまな伝統柄があります。その千代紙のかわいらしさを存分に楽しめるのが、こちらの小箱。大きな柄は、どこを使うかによって見え方が違うので、店頭でひとつひとつ選ぶ楽しみも。名刺サイズ。こちらは「牡丹」。(880円)

3.薄墨で1枚1枚摺った、 「月影摺り便箋」。

手摺りで桜の模様をのせた贅沢な便箋。上に字を書いても邪魔にならないよう、見えるか見えないかの薄い色の墨で摺ってある。紙自体も大変薄く、透けて見えるほど。でも、和紙の特性で丈夫。柄は多種あり。(便せんのみ1,980円。封筒とセットで3,630円)

4.なんと100種類も! 500円玉に合う「百福袋」。

2015年、今の場所に新店舗を構えた際に新しく作られた商品。はいばらに受け継がれる100個の「福」の落款を元にした、縁起のいいぽち袋。それぞれの柄に番号が振ってあるので、自分のラッキーナンバーを選ぶ人も。店頭にはひとつひとつの意味の説明がある。(同柄2枚入り、352円)

5.グッドデザイン賞受賞。「蛇腹便箋」。

巻紙をイメージして作られた「蛇腹便箋」。はいばらの商品の中でも人気のアイテム。好きな分だけ書いて切って使えて大変便利。1枚だけ、一筆箋として使うのもスマート。切った場所によって絵柄が違うのも楽しい。柄は多種。封筒と一緒のレターセットもあり。(550円)

6.ファンの多い、手摺り木版「紅渕レターセット」。

奉書の四方の渕だけを手摺りにした、レターセット。「これでなければ手紙は書きたくない」という昔からの愛用者も多い。よく見ると、線の太さや色の出方が少し違っていたりして、手仕事感たっぷり。風合いの違う紙を使用した青渕もある。(便箋10枚、封筒5枚入り、1,716円)

7.改まった場で使いたい 「ちいさい蛇腹便箋」。

「蛇腹便箋」を小さくした、なんともかわいらしいアイテム。千代紙柄のマッチ箱のような箱に、封筒5枚と便せん60枚つづりがセットになっている。1枚ずつ切ってオフィスでの伝言に使ったり、贈り物に一言添えたり、様々な使い方ができる。プチギフトとしても人気。(550円)

8.なんとも言えない風合い。 「手漉き和紙葉書」。

植物由来を感じられる、しっかりした厚みの手漉き和紙に、柄を手摺りした贅沢な葉書。いかにも手作りの「耳つき」の縁の風合いが美しい。絵柄は竹久夢二が描いた、竹、麦穂、桜の3種。季節に合わせたものを選んで。心を込めた便りに、ぜひ使ってみたい。(3枚入り、605円)

9.贈り物の右上に貼って。 「豆のし」。

はいばらでは、のし単体も販売している。四寸から10種類あり、一番小さいのがこの「豆のし」で約2cm。もちろん全部手作り。のしは、「これは贈り物ですよ」という意味。リボンの代わりに、ちょっと貼ってみてもしゃれている。(20枚入り、550円)

10.季節の風物を描いた 「夢二一筆箋」。

四代目当主の求めに応じて、多数のオリジナル絵柄を手がけた竹久夢二。美人画で有名な夢二だが、季節の風物を描いたこの一筆箋のシリーズは、モダンな柄やユーモラスなものもあり、とても新鮮。物を贈るときに一言添える習慣を、ぜひ。(20枚綴り、550円)

●はいばら 日本橋本店
東京都中央区日本橋2・7・1 東京日本橋タワー1F 
TEL.03・3272・3801
日本橋駅(東京メトロ銀座線・東西線、都営浅草線) B6出口直上 
営業時間:月曜日〜金曜日:10時〜17時30分 土曜日・日曜日:10時〜17時30分 
休日:祝日、年末年始

『クロワッサン』1054号より

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。