油揚げと卵の名コンビ、衣笠どんぶり【こてらみやさんの京のおばんざいレシピ】
撮影・小川朋央 文・松本あかね
[卵]
やわやわがおいしいから、タイミングを見極めて。
衣笠どんぶり
油揚げと卵の名コンビ。朝食にもうれしい。
【材料(2人分)】
卵 4個
油揚げ 1枚
九条ねぎ(青ねぎ) 1本
A[だし 1カップ みりん 大さじ2 うすくちしょうゆ 大さじ2]
温かいご飯茶碗 2杯
粉山椒 少々
【作り方】
1.油揚げは短冊切りにする。ねぎは幅5mmの斜め切りにする。
2.卵は箸で黄身と白身を切るようにして5~6回大きくかき混ぜる。
3.フライパンにAと油揚げを入れて中火にかける。
4.油揚げが煮汁を吸ってくったりとしてきたらねぎを入れ、真ん中から外側へぐるりと卵を回し入れる。
5.フライパンを回すようにゆすりながら火を通し、ふちのほうが固まり始めたら、真ん中の火の通りが悪いところをへらでふちに押しやり、半熟状態で蓋をして火を止める。
6.どんぶりにご飯を盛り、5をつゆごとのせる。粉山椒をふって食べる。
「おばんざいは特別なものではなく、京都の家庭で当たり前に食べている普段のおかずのことです」と話すのは、京都育ちのこてらみやさん。
「特別な材料や調味料は使わないけれど、出汁を含ませたり、相性のいい食材と合わせたり、時には食感を変えて、飽きずにおいしくいただくための工夫をいつも心がけています」
その精神はおなじみの食材にこそ発揮される。「豆腐なら凍らせて炒り豆腐に、崩してサラダ、つぶして餃子に。肉代わりとしても重宝します」
いつもの唐揚げも山椒の香りをまとうとぐっと大人の味。卵料理が昼ごはんの主役を張るのも京都ならでは。食材の滋味をとことん引き出す「おばんざい」の知恵をお試しあれ。
『クロワッサン』1052号より