炒り豆腐【こてらみやさんの京のおばんざいレシピ】
撮影・小川朋央 文・松本あかね
[豆腐]
淡泊だから懐が深い。京の食卓に欠かせない豆腐の食べ方七変化。
炒り豆腐
冷凍豆腐を使えばいつでも手軽にあと一品。
【材料(作りやすい分量)】
凍らせ豆腐 1丁(350gの木綿豆腐を凍らせておいたものを解凍
にんじん 1/3本(50g)
しいたけ 中2枚
ちくわ 2本(約80g)
むき枝豆 60g(さや付きなら120g)
溶き卵 1個分
ごま油 小さじ2
A[水 3/4カップ 酒 大さじ2 みりん 小さじ2 うすくちしょうゆ 大さじ1]
【作り方】
1.Aを合わせておく。
2.凍らせ豆腐を6つにちぎってから水気を絞り、2㎝角ぐらいの大きさにほぐしておく。
3.にんじんは長さ3cmの細切り、しいたけとちくわは薄切りにする。
4.鍋にごま油を入れて中火で熱し、にんじんを炒める。油が回ったらしいたけとちくわを加え、しいたけがしんなりとしてきたら2を入れて炒める。
5.4に1を入れて炒り煮にし、水分が少し残っているぐらいのタイミングでむき枝豆を入れる。
6.5に溶き卵を回し入れて、へらで大きく混ぜながら卵に火を通す。
「おばんざいは特別なものではなく、京都の家庭で当たり前に食べている普段のおかずのことです」と話すのは、京都育ちのこてらみやさん。
「特別な材料や調味料は使わないけれど、出汁を含ませたり、相性のいい食材と合わせたり、時には食感を変えて、飽きずにおいしくいただくための工夫をいつも心がけています」
その精神はおなじみの食材にこそ発揮される。「豆腐なら凍らせて炒り豆腐に、崩してサラダ、つぶして餃子に。肉代わりとしても重宝します」
いつもの唐揚げも山椒の香りをまとうとぐっと大人の味。卵料理が昼ごはんの主役を張るのも京都ならでは。食材の滋味をとことん引き出す「おばんざい」の知恵をお試しあれ。
『クロワッサン』1052号より