くらし

【山田ルイ53世のお悩み相談】周りがみんなお母さんになっていきます。

お笑いコンビ髭男爵のツッコミ担当で、作家としても活動中の山田ルイ53世さんが読者のお悩みに答える連載。今回はリモート飲み会のなにげない言葉に引っ掛かりを感じている女性からの相談です。
  • 撮影・中島慶子

<お悩み>

こんにちは!
リモート飲み会をやったときに、ふと友人が(私以外)みんなお母さんになってなんか不思議だねーと言ったことにもやもやしています。一人暮らしは楽しいものの、家族は欲しいけどどうにもならない現状があり(人見知り婚活うまくいかない笑)そんなとき、上の発言を時折思い出し、自分はどこか欠けているんじゃないかとしんどくなるときがあります。この気持ちとうまく向き合うにはどうしたらいいのでしょうか。

(あっぴ/女性/30前半公務員独身彼氏なし)

山田ルイ53世さんの回答

「みんなお母さんになっててなんか不思議だねー!」
との発言にモヤモヤしたと仰るあっぴさん。
「結婚した」「母親になった」「独身」……どれをとっても、ただそうだというだけで、“不思議”でも“当たり前”でもありません。
おそらく、他の呑み会参加者も、「ほんとだねー!」くらいの薄口リアクションに終始していたと思われます。
要は、久し振りに故郷を訪れた人間が、
「あー、ここコンビニになったんだー!?」
などと妙に大声を発し、やや強引に“懐かしもうとする”のと同じこと。
それほど、お気になさらずとも良いでしょう。

一応芸能人ではありますが、社交がゼロで、オンライン飲み会どころか実生活がオフラインの筆者としては、
「そんな集まりやめときゃいいのに……」
と少々毒づいてみたいところですが、いずれにせよ、ご友人らに悪気があったとは思えない。
ご自身、「一人暮らしも楽しい」とお考えなら、それで良いのではないでしょうか。

筆者の経験上、“人と比べる”という行為は、人生のコストパフォーマンスを低下させかねません。
この場合は、結婚してママとなったご友人達と、ということですが、彼女らと比較して、
(自分は欠けているのだ……)
などと嘆いてみても、正直、何の意味もないでしょう。

言ってみれば、「□」と「☆」が、
「私の方が尖っている!」
「俺には凹んでいるところが一つもない!」
と口論しているようなもの。
確かなのは、“2つは違う形”ということのみ……不毛な気がするのです。

ただし、
「私達って一緒だねー!」
という一体感の演出と引き換えに、(その場では)少数派だった相談者の存在が黙殺されたのも事実。
「家族は欲しい……」とも仰っているので、ここはひとつ、「人見知りで婚活が思うようにいかない」などと匙を投げず、もう一度くらい足掻いてみてはいかがでしょう。
その際、罪滅ぼしとして、件のご友人達に出会いの場をセッティングして頂くのも悪くない。
色々複雑でしょうが、ものは試しです。
お幸せに。

山田ルイ53世

山田ルイ53世

お笑いコンビ、髭男爵のツッコミ担当

本名、山田順三。幼い頃から秀才で兵庫県の名門中学に進学するも、引きこもりとなり、大検合格を経て愛媛大学に進学。その後中退し、芸人へ。著書に『ヒキコモリ漂流記』(マガジンハウス)、『一発屋芸人列伝』(新潮社)、『一発屋芸人の不本意な日常』(朝日新聞出版)、近著に『パパが貴族』(双葉社)。
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