くらし

遺品整理と生前整理の裏に潜むトラブルを検証!

一刻も早く手放したい不用品も、安易に処分するとトラブルに見舞われるケースも。国民生活センター 相談情報部の高橋捺紀さんと一般社団法人実家片づけ整理協会代表理事の渡部亜矢さんに対処法をアドバイスしてもらった。
  • イラストレーション・しりあがり寿 文・小沢緑子

遺品整理

<事例>ひとり暮らしだった母の遺品整理のためにインターネットで検索した業者に電話をして見積もりにきてもらった上で依頼。作業時に予定外の料金を追加され最終的に見積金額の2倍の費用を請求された。

<解説>
遺品整理に関するトラブルもここ数年目立つという。

「核家族化が進み高齢独居世帯が増えたことも背景にあると思います。料金や作業内容についてのトラブル相談が多いですね」(国民生活センター・高橋さん)

業者に依頼する場合はやはり複数業者から見積もりをとる、作業内容と追加料金も含めて総額を明確にする、キャンセル料、クーリングオフの確認を行うのが基本。

「遺品整理の場合、一軒丸ごとだと処分費が100万円くらいかかることもあります。廃棄物の処理は今、規制が厳しく業者がきちんと分別して処理すればある程度の費用はかかるはずです。
見積料金がほかと比べて安すぎる場合は、適切に処理せず不法投棄している可能性も。安さの理由を確認したほうがいいです」(渡部さん)

「なぜ料金が安いのか」「どこの処理場で処分するのか」などを、さりげなく聞き、納得のいく説明をしてくれるかを見極めよう。

遺品整理

<事例>父が亡くなり遺品整理をしなくてはならないが何から手をつけていいかわからない。離れて暮らしているが、残された母ひとりに任せられず、遺品整理の業者に頼むにも、どこに問い合わせればいいかわからず困っている。

<解説>
遺品整理は、最初に権利証などの重要品や貴重品は人任せにせず、自分で仕分けを。

「その後に何を処分するかはっきり決めて、リサイクルに回したり自治体の粗大ごみに出すのが一番費用がかかりません」(渡部さん)

遺品整理の業者に頼みたい場合は、その地域の口コミによる評判を参考にするのがおすすめという。

「ただ、今は親と離れて暮らしている人も多く、情報を得るのが難しいときは、自治体に一度問い合わせをしてみても。処分したいものの種類や量を伝えると適正に処分する方法や、場合によってはその自治体で家庭の不用品を処分する許可を得た業者を教えてくれることがあります」

その後は業者に見積もりを依頼するが、「内訳をしっかり確認するためにも老親に任せず子も必ず付き添うこと。当日の作業にきょうだいや親戚など複数の身内で立ち会うと、見積時との食い違いやトラブルが防げるのでより安心です」。

生前整理

<事例>
母親に生前整理をしてほしいが、不要に思えるものもなかなか捨ててくれない。親子で「これは捨てよう」「嫌だ」と口げんかになることもしばしば。わだかまりが残りそうで、一向に作業が進まない。

<解説>
遺品整理は精神的にも金銭的にも負担がかかります。

親が元気なうちに生前整理をしてもらうことを長年おすすめしていますが、親子でも価値観の違いから『これは捨てよう』『捨てたくない』の押し問答となり、なかなか片づかないケースも」(渡部さん)

その場合、無理強いはしない。まずは家の中のものを「いる」「いらない」「一時保管」の3つに仕分けてもらおう。そして「いらない」ものは捨て、「一時保管」のものは部屋をきれいにする口実で物置きなど目につきにくい場所で保管。

「その後、日にちが経ってから、一時保管していたものを親が使っていなければ、『いらない』ものとして処分していいか相談。このときもこじれる元となるので、決して無断で捨てないことが大切です」

渡部亜矢

渡部亜矢 さん (わたなべ・あや)

一般社団法人 実家片づけ整理協会 代表理事

実家の片づけに特化したアドバイザー認定や書類整理の講座などをオンラインで開講。近著は『カツオが磯野家を片づける日』『片づけの基本』。

『クロワッサン』1041号より

この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう

この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう

SHARE

※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。