何に投資するのがいいですか? お金のプロに聞いた。
撮影・山本ヤスノリ イラストレーション・佐々木一澄 文・生島典子
結局、どんな投資をすればいいですか?
Q.お結局、どんな投資をすればいいですか?(川本さん)
A. iDeCo(イデコ)やNISA(ニーサ)など、税制優遇制度を使いましょう。(山中さん)
山中 会社に企業型の「確定拠出年金」はありますか?
川本 いつも調べようと思うのですが、よくわかっていなくて。
山中 給与を1万円もらうと、最低でも所得税が5%、住民税が10%、社会保険料が15%引かれて手取り7,000円になります。それを企業型確定拠出年金の掛け金にすると、1万円まるまる積み立てられます。
60歳までは解約できませんが、老後のための貯蓄ならおトクですよね。会社に「確定拠出年金」の制度がない人のために「個人型確定拠出年金」があり、これが「iDeCo」と呼ばれるものです。
川本 そんなしくみなんですね!
山中 NISAは「少額投資非課税制度」といって、投資して利益が出ると通常引かれる約20%の税金が引かれず、利益の100%が受け取れる制度です。どこのバケツにお金を入れるかで税金を引かれる、引かれないがあるのなら、引かれないほうがおトクですよね。
川本 私は「ひふみ投信」が気になっているんですが。
山中 さすがですね。買いたい投信があったら、投資信託評価サイトで過去の実績をもとにシミュレーションできます。
川本 やってみます。「iDeCo」もすぐに始めたいです。
MORNINGSTARの「積立購入シミュレーション」で算出。
(もしも5年前から「ひふみプラス」に積み立てていたら…)
5万円/月=300万円
▼
418万円になっていた!?
(もしも10年前から「セゾン 資産形成の達人ファンド」に積み立てていたら…)
5万円/月=600万円
▼
1200万円になっていた!?
投資信託を買うときに、賢く使うと税金がおトクになる2つのバケツ。
投資信託の積み立てをするときに、「iDeCo」と「つみたてNISA」という2つの税制優遇制度を使って投資をすると、普通に積み立てをするよりも税金が軽減されおトクに増やせる。
現役時代に所得控除をしてもらいながら、老後に向けて積み立てができる制度。受け取るときも税制上有利に。
通常、投資で得た利益にかかる20.315%の税金が引かれない制度。積み立てできる額は、年間40万円まで。
山中さんのおすすめサイト。
「iDeCo」や「つみたてNISA」の制度を使うときに、金融機関や金融商品の情報をチェックできる2つのサイト。基本的な説明が読めるほか、節税シミュレーションなどもできる。
●iDeCoナビ
金融機関の手数料・サービス・商品を比較するコンテンツが人気。https://www.dcnenkin.jp/
●MORNINGSTAR「つみたてNISA総合ガイド」
「つみたてNISA対象ファンド一覧」等、知りたい情報が盛りだくさん。http://nisa.morningstar.co.jp/
これからまずやること。
「iDeCo」や「つみたてNISA」で投資を始めるための手順を見てみよう。口座を開いて購入する投資信託を選べば、あとは自動的に投資されていくしくみなので、ほったらかしでもOK。
(1)ネット証券を比較検討する。
手数料や商品内容から考えると、口座を開く金融機関はネット証券を選ぶのがおすすめ。「楽天証券」「SBI証券」「マネックス証券」「松井証券」の4つのサイトを比較して、使いやすいところを選ぶのがよい。
(2) iDeCo口座、NISA口座の手続きをする。
ネット証券に「iDeCo」や「つみたてNISA」もできる口座を開設する。iDeCo口座の開設をするには、会社員の場合、勤務先の会社が記入する書類もあり、金融機関との書類のやりとりに1~2カ月くらいかかる。
(3)おすすめサイトで投資信託を選ぶ。
山中さんおすすめのサイトなどで積み立てを始める投資信託を選ぶ。世界中の株や債券に投資していて、手数料が低いものを選ぶのがポイント。「iDeCo」と「つみたてNISA」で別の投資信託を買ってもいいし同じものでも。
(4)投資をスタート、10年間は解約しない。
値動きがあるものに投資しているので、価格の上下があるのが当たり前。3~4割減ることもあると理解したうえで、相場が下がっても積み立てをやめないことが大事。iDeCoは60歳まで解約できない。
『クロワッサン』1038号より