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健康を守るには、除菌よりもまずは「清掃」を。効率よく家の清潔を守る6つのルール。

いま、身の回りを清潔に保つことに多くの人が関心を寄せています。
体を育み、休ませる住まいこそ、例年以上にクリーンにしたいもの。
巷には様々な情報が溢れているけれど、本当に行うべき内容は実はとてもシンプル。
最新知識を身につけ、掃除&消毒術をアップデート。

イラストレーション・木下綾乃 文・新田草子

清掃は、健康のために不要なものを除く作業。

健康を守るには、除菌よりもまずは「清掃」を。効率よく家の清潔を守る6つのルール。

住まいをきれいにし、いつも気持ちよく整えておきたいと思うのは、多くの人の普通の心理だけれど、

「加えて必要なのが、掃除は健康を守るための作業であるという視点です」

と語るのは、医療環境管理士の松本忠男さん。

「家の中には通常、目に見えないけれど体に不要なものがたくさん存在しています。その中身は、新型コロナやインフルエンザなどのウイルスだけでなく、カビなどの細菌や、ダニ、ハウスダストなどさまざま。そういったものの一部が体に入りこむと、時として感染症やアレルギーの原因になったり、肺炎を引き起こしたりするのです」

これを取り除くのが清掃なのだ。

「病原体が多ければ多いほど、人の免疫力が勝てずに健康被害が起きるリスクも高まります。清掃をきちんとして病原体を減らすことは、免疫力を弱らせないことにつながります」

除菌よりもまず「清掃」が大事な理由。

目に見えない不要物、ウイルスや細菌、ハウスダストはどこにいる?

「単体で存在しているわけではなく、ほとんどは他の汚れと混ざり合っています。いちばんわかりやすい目安となるのはほこり。一見灰色のふわふわとした塊ですが、顕微鏡で見ると中に細菌やダニがたくさんいるのがわかります。水あかも同じく、カビや細菌の温床。ウイルスも、やはりこうした汚れのつきやすいところに溜まりがちと考えてよいでしょう」

除菌グッズが人気の昨今だが、病原体を除くためには、「まずは普通の清掃を」と、松本さんは提言する。

「いきなりアルコールの除菌スプレーを使っても、汚れが病原体と混ざり合って病原体を保護する形になり、かえって逆効果になることも。また、過剰な消毒は体に必要な細菌も殺してしまいます。一番大事なのは普通の掃除。除菌はその上で行うことが大切です」

常に100%を目指さなくても大丈夫。

体に不要なものを減らすのが清掃。

「とはいえ、家じゅうのウイルスや細菌をすべて退治するのは不可能ですし、限られた人数の健康な家族が暮らす家なら、そこまで神経質にならなくても大丈夫。病原体は、ほこりや水あかなどと混じり合った粒子が大きい状態なら、体に入っても粘膜の反応で追い出すことができる。粒子が細かくなる前に、全体量を減らせればよいと考えましょう。感染予防に一番大切なのは、食べたり顔を触ったりする前に手を清潔にして、口や鼻からの感染経路を断つこと。そこがおろそかだと、どんなに掃除をしても意味がありません」

清掃は、病原体をコントロール可能な量まで減らす方策と捉えよう。

「必要なのは、面倒のない範囲で、汚れが溜まりやすい場所をピンポイントで掃除する習慣です。普通の掃除を効率よく丁寧に。そんな気持ちで、家の清掃を見直してみてください」

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