くらし

【和田裕美のお悩み相談】社会人1年目の息子が仕事を辞めたがっています。

外資系教育会社でのフルコミッション営業で世界142カ国中第2位の成績を収めたキャリアを持つ和田裕美さんが読者の悩みに答える連載。今回は仕事を辞めたがる息子への対応に困る女性からの相談です。

<お悩み>

新社会人1年目の息子のことです。翌日の仕事が怖くて夜眠れない、仕事が片付かないけど残業できない、次々タスクがたまっていく、どうしたらいいかわからなくてキーボードを打つ手が震える。会社に行きたくないと訴えるように。元々、自発的に何かをする性格ではなく、幼い頃から周囲に合わせてばかり。自分軸がなく、やらされてる感がずっとあります。もう大人だし、正直放っておきたいのですが、何かと相談してくるのですが、私が答えを出してしまうようで返事に悩んでいます。もっと自分の考えに責任を持ってほしいのですが…。

(琥珀の秋/女性/50代の主婦です。夫と3人の成人の子供の5人家族。)

和田裕美さんの回答

琥珀の秋さん、質問ありがとうございます、こんにちは。
こういうお悩みについては
意見が分かれます。
心が病んでしまう前に早く辞めさせてあげないと!という意見と
すぐに辞めたらまた繰り返してしまう…という意見。

ただ、私も多くの人を見てきて言えることは
これから彼は自立して生きていく必要があるという
圧倒的な事実が待ち受けているということです。
会社を辞めるとか辞めないとかは
そう大きな問題ではなく
これからどうやって生きるかが大きな課題です。

だからわたしは
彼に幸せになってもらうには彼自身を改善していくことを
ゴールに見据えたいのです。

状況を把握しますね。

何かと相談してくるのは
「辞めたらいいよ」という一言を待っていて
そうしたら琥珀の秋さんが言うように
自分で責任を取らなくて済むからですよね。
自分の考えに自信が持てないから決断できない。

これ、卵が先かニワトリが先かの話なんです。
自信を持って意見を言えるようになるためには
「自分で決める」ことを繰り返す必要があります。
またここで誰かに決めてもらうと
余計に自己肯定感が低くなります。
仕事を辞めたら楽にはなりますが
自己肯定感が低くなれば家にいても彼の心は
ぜんぜん晴れません。
だから
「これからの人生が楽しくてたまらないものにするための方法」
 について対話してあげてください。

楽しい人生にするためには

1、自分で決めること
2、自分で責任を取ること
3、たとえそれが失敗でもやり直せること

を知っていることが大前提です。
それを理解した上で
自分で辞めるか続けるか
決めたらいいということを伝えます。

もし辞めると決めたら
辞める前にできることがないか?を考えてさせてください。
全部できなくてもいいから「ここまでやろう」と
自分の決めたゴールを達成することとか
「これじゃ仕事多すぎます」と上司に言うとか
なにか自分で風を起こすことをしてもらえたら
辞めることにも意味が生まれて
なにかの自信につながると思います。
それは自分の決断だからです。

人生をよりよくするための方法は
逃げることじゃなく「課題解決」にあって
人それぞれ、みんな大変な課題に取り組みながら
生きていくものなのです。

大変だからと言って向き合うことを避ければ
もっと大変な人生になってしまうだけです。

そうだ!
あと、辞めても何らかの仕事をして
家にお金をいれてもらってください。
家賃の一部と食費をもらって
ご両親が「さすがだな」と感謝し「たすかるわ〜」と
彼を頼ってあげてください。

頼りにされると人は自信を持てるんです。
きっとできます。

和田裕美(わだひろみ)●作家・営業コンサルタント。京都生まれ。京都光華女子大学キャリア形成学科客員教授。書籍だけでなくラジオや会員サービス「パワースクール」など各種メディアで情報発信中。代表作に、『人に好かれる話し方』、『世界No.2セールスウーマンの「売れる営業」に変わる本』『人生を好転させる「新・陽転思考」』等。新刊に『稼げる技術』(ダイヤモンド社)、『タカラモノ』(双葉文庫)など。
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