家具の固定、滑り止めなど、リビングダイニングの安全対策出来てますか?
撮影・岩本慶三 文・嶌 陽子
家族が集まるリビングダイニングも、安全対策をしっかりと。
食器棚やダイニングテーブル、テレビ、本棚、ソファなど、さまざまなものを置いているリビングダイニング。恥ずかしながら、安全対策というと食器棚の下に転倒防止用マットを敷いていることと、テレビのモニター台座をテレビ台に固定しているくらいだ。だが、この数少ない対策にすら間違いがあったことが、国崎さんの指摘で判明!
「テレビについては、3カ所固定しなければ安全とは言えません。テレビ台を床に、モニター台座をテレビ台に、そしてモニターを壁に固定する必要があるのです。モニター台座をテレビ台に固定しているだけだと、強い揺れが起きた場合にモニターが台座から離れ、飛んでくる可能性もあります」
食器棚も下に滑り止めシートを敷くだけでは不充分。棚板にも滑り止めシートを敷き、ガラス扉には飛散防止フィルムを貼る必要がある。家族が過ごす時間が多い空間だからこそ、知識をしっかり持って充分に災害に備えたい。
「大型家具やテレビなどの転倒防止はもちろんですが、もう一つ重要なのは、モノの配置の仕方です。避難しやすいよう、玄関へと続く動線にはモノを置かないか、置く場合はしっかりと固定する。また、倒れたり落ちたりすると危険なものは、視界に入る場所に収まるようにする。人は背後から何かが襲ってくると対応できないからです」
たとえばダイニングテーブルで食事をする際、背後に危ないものを置いたり壁に掛けたりしていないだろうか。そうした視線で家族の座る位置とモノの配置の関係をあらためて考えてみる。
「リビングダイニングは家族がくつろぐ場所。何もかもしまい込んでしまうと不便だし、味気ないかもしれません。ですので、たとえば壁に絵を飾りたかったら、避難の妨げにならず、なおかつ座る人の背後にならない場所に飾る。そんなふうに防災という観点でモノの配置を考え直してみるといいでしょう」
| 食器棚 | 最も危険な家具のひとつ。いくつもの工夫で対策を。
滑り止めシートを敷いて飛び出し防止。
上に置いたものにも滑り止めシートを。
\ さらに補強するなら!/
ガラスの扉には飛散防止フィルムを。
| 本棚 | 本の落下のリスクを減らすにはすき間なく詰めるのが有効。
落下防止の専用テープを棚の手前部分に貼っておく。