くらし

停電時に慌てない、電源と照明の確保術。

危機管理アドバイザー・国崎信江さんに教わる、基本の防災術。
災害時に慌てないために、覚えておきたい知識をお届け。
  • 撮影・黒川ひろみ イラストレーション・山口正児 文・一澤ひらり

災害対応で最も進歩している分野。停電時に慌てないための準備もチェック。

Q1.電源で最低限、家に備えておくべきものは何でしょうか。

A.ポータブル電源とモバイルバッテリーはマスト。

まずはポータブル電源です。スマホや小型冷蔵庫など、何を動かしたいかによって容量が決まりますが、最近の家電やUSB機器に対応しているので、これから一家に1台は常備してほしいですね。
おすすめは「アンカー・ジャパン」のポータブル電源(下写真)。一般的なポータブル電源より約6倍もバッテリー寿命が長く、一番容量が小さいタイプでもiPhone13で約18回充電できます。ソーラーチャージャーとセットで使えば充電もできます。

もうひとつはモバイルバッテリー。外出先で被災した際、スマホを充電できるモバイルバッテリーは必携です。普段から持ち歩いてください。

(PowerHouse 256Wh) 2万9900円

ポータブル電源 Anker 521 Portable Power Station

5,990円(共にアンカー・ジャパン カスタマーサポート TEL.03・4455・7823)

モバイルバッテリー Anker Power Bank〈10000mAh, 30W〉

Q2.停電時にはローソクといわれていましたがローソクは必要ですか? また電池はどれぐらい備えておけばいいですか?

A.余震によるガス漏れ時、ローソクは火事が心配。

大地震では本震の後、何度も余震に襲われます。火を使うローソクは火事になりやすく、ガス漏れ時も怖いので、おすすめできません。安全なLEDランタンなどを使ってください。

いま電池式の家電製品は少なくなっていて、USB充電が主流になってきています。そのためにもポータブル電源を持つほうがいいと思います。
とはいえ、いきなり電池不要の生活はできません。家にある懐中電灯やラジオなど電池が必要なものは、電池の種類を確認して3回交換できる分をストックします。アルカリ電池には10年間液漏れせずに保存可能なものがありますから、充分な量を備えておきましょう。

これまで停電になった時はローソクや乾電池が必需品だったが、これからはポータブル電源が明かりを灯す。

Q3.日常的に使いながら備えられる照明器具など、おすすめのものを教えてください。

A.停電時に自動で明かりがつく防災用照明で安心です。

わが家では「ホタルクス」の防災用シーリング(下写真)を使っています。バッテリーが内蔵されていて、停電になった瞬間に切り替わって最大20時間程度、非常点灯します。

家族が集まる1階と2階のリビングにつけていますが、近隣の方は周辺一帯が停電してるのになぜあの家だけ照明が?と、不思議に思うでしょうね。災害時に停電しても、慌てずにいられるはずです。

あとは廊下に人が通ると明かりがつくセンサーライトも設置していて、これも停電すると点灯します。停電になった時、真っ暗闇でパニックになりやすいですが、その瞬間にパッと明かりがつけば、落ち着いて行動できます。

8畳用 2万9800円※編集部調 べ(ホタルクスお客様相談 室 TEL.0120・52・3205)

ホタルクス防災用シーリング(Hotalux AID)。非常点灯時の明かりもリモコンでON/OFFができる。

国崎信江

国崎信江 さん (くにざき・のぶえ)

危機管理アドバイザー

危機管理教育研究所代表。防災スペシャリストとして活躍中。著書に『ぼくらの災害サバイバルBOOK』(主婦の友社)など。

『クロワッサン』1100号より

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