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女は男の言う通りしていれば、キリキリ舞いするだけ――駒尺喜美(法政大学教授)

1977年創刊、40年以上の歴史がある雑誌『クロワッサン』のバックナンバーから、いまも心に響く「くらしの名言」をお届けする連載。今回は、フェミニズム批評の先駆者が語ったひと言を取りあげます。

文・澁川祐子

女は男の言う通りしていれば、キリキリ舞いするだけ――駒尺喜美(法政大学教授)

1979年5月10日号「新しい女性論の時代」より
1979年5月10日号「新しい女性論の時代」より

前回(記事はこちら)に続き、「新しい女性論」をテーマにしたインタビューからの名言です。発言者は、近代文学を女性の視点から読み直した『魔女の論理』などの著作で知られる駒尺喜美さん(1925-2007)。

大阪の商家に生まれ、戦後に京都人文学園を卒業。その後上京し、代議士秘書や、出版社やネクタイの製造販売会社勤務、映画館のモギリと職を転々としたのち、28歳で法政大学に入学し、学問の道に進んだという異色の経歴の持ち主です。

〈男と女は今のところ、上下関係だから、いつも男の要求が前に出る〉と語る駒尺さん。その要求は状況に応じてコロコロと変わるため、女性にダブルバインドを強いていると指摘します。

たとえば、〈自分の女房にはおとなしく家庭を守ってくれる女を望みながら、職場では「女はダメだ。結婚したらすぐに辞めたがる」とグチる〉。あるいは〈主婦が一生懸命、子どもを育てていると、過保護だ、教育ママだと社会悪の元凶のように言う〉一方で、〈共働きの子がたまたま非行に走れば、カギっ子はかわいそうだと言って、働く母親が悪者にされる〉。

だから〈女は男の言う通りしていれば、キリキリ舞いするだけ〉。男に都合よく振りまわされないためには、女の経済的自立と意識変革が必要だと駒尺さんは訴えます。

このコメントから40年あまり。意識は少しずつ変わってきているとはいえ、状況を改善するまでには至っていません。社会を変えるのは、根気のいることだと痛感させられるインタビューでした。

※肩書きは雑誌掲載時のものです。

澁川祐子(しぶかわゆうこ)●食や工芸を中心に執筆、編集。著書に『オムライスの秘密 メロンパンの謎』(新潮文庫)、編著に『スリップウェア』(誠文堂新光社)など。

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