地球に「生きてていいよ」と言われているような、幸せな感覚になる。それが旅の魅力、とヤマザキさん。旅に出ると、自分が生きている地球のものすごい広さを自覚できるからだという。
「仕事とか、しがらみのある場所に私たちは縛られて生きていますけど、そこだけが生きている世界になってしまうと息苦しくなってきますよね。旅は自分が一切誰でもなく、言葉も通じなくて、食べているものも生活習慣も違う場所に身を置くけれど、自分も一緒に地球の中にいるんだなっていう感覚に浸れる。そのときが幸せなんです。だから旅に駆り立てられますね」
とはいえ、新型コロナの自粛下で旅には出られなくなってしまい、ステイホームを余儀なくされているが。
「思いもかけず物事を掘り下げられる時間になりました。本をたくさん読んだし、映画を観たし、考えたし。ふだんの私なら忙しくてできなかった。日頃いかに大事なことを後回しにしてきたんだろうって思わざるをえませんでしたね。非日常は自分のことがよくわかるいい機会です。熟考できる時間を持てたことは、逆説的ではあるけれどコロナ禍で得られたことかも」