ジョージアの焼きナスとくるみのペースト【美才治真澄さんのヨーロッパのスパイス料理レシピ】
撮影・黒川ひろみ 文・大澤千穂
【ジョージア】焼きナスとくるみのペースト
クミンパウダー
紀元前から栽培され、ほろ苦さと個性的な香りをもつスパイスはヨーロッパでも愛用されてきた。肉や野菜料理、煮込み料理、炒めもの、パン、チーズなどに幅広く使う。
油やナッツと合うクミンの個性的な香りを。
東西を繋ぐ貿易路の中継点だったジョージアでは、中東のスパイスもよく使われる。クミンもそのひとつ。「香りが個性的で強いので、ソテーしたナスなどの油分に負けず、味が立ちます」。クミンの香りはくるみとも合う。
【材料(2人分)】
ナス3本
くるみ60g
にんにく1/2かけ(みじん切り)
香菜の茎3本(小口切り)
塩適量
オリーブオイル大さじ1
A[水大さじ1/2 オリーブオイル大さじ1/2 ワインビネガー大さじ1/2 クミンパウダー大さじ1/2 塩小さじ1/8]
クミンパウダー
香菜の葉各適宜
【作り方】
1.ナスはヘタを除いて縦に7〜8mm幅に切る。両面に塩を軽くすりこみ、しんなりするまで10分ほどおく。
2.くるみはすり鉢ですり潰す。にんにく、香菜の茎を加えてさらにすり、最後にAを加えてよく混ぜる(ブレンダーを使うとよい)。
3.1を流水でさっと洗いキッチンペーパーで水気を拭く。フライパンにオリーブオイルをひいてナスを並べ両面を焼く。
4.3に2をのせて包む。器に盛り、好みでクミンパウダー、香菜の葉を散らす。
辛さよりも香り重視で、素材の持ち味を引き立てます。
中世のヨーロッパ人を大航海へと駆り立てた理由のひとつが、スパイス。当時、手に入りにくいものも多く、今では考えられないほど貴重で高価なものだった。けれど、時代を経て各国に定着したスパイスは、今ではヨーロッパ料理には欠かせないものになっている。
「スパイスは、ヨーロッパで幅広く使われているハーブからは得られない、独特な香りや色付け、防腐作用といった役割を担うもの。味に奥行きやメリハリをつけ、風味や彩りを加えるのにも役立っています」
と、美才治真澄さん。ハーブとともに組み合わせるのも、ヨーロッパ流の使い方。
『クロワッサン』1023号より
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