累計8刷30,500部と自費出版がメインの短歌集においては異例の大ヒットとなった『滑走路』。主演・水川あさみで映画化が決定しています。
作者の萩原慎一郎さんは32歳で自らの手で命を絶ちました。この歌集はその死から半年後に発刊され、遺作となったもの。
掲載されている短歌295首には自身の非正規雇用という境遇や、ままならない恋について詠んだものが多く含まれています。
誰かと繋がりたいと思う気持ち、大勢の中に埋もれたく無いという気持ち、変わりたい、成長したいと願う気持ちが短歌という形式の中で蠢いています。
「こんなにガツンと感情を揺さぶられるとは思わなかった」というのが初めて読んだ時の感想。短歌に対する印象を変えてくれるエネルギッシュな一冊です。