クラフトビールにこだわる中嶋マコトさんの最近のお気に入りは、東海道BEER川崎宿工場が造る一本。
「ブルワーの田上達史(たのうえさとし)さんという方はもともと川崎で醸造所を営んでいて、彼の生み出す独特の味にずっと根強いファンがいたそうです。でもその醸造所を閉めてしまい、昨年から東海道BEER川崎宿工場の醸造技師になりました。私も地元が川崎で、お店の経営者と知り合いだった縁で田上さんのビールを知ったのですが、ほかのクラフトビールとは一線を画す味。すごく衝撃的でした」
一番の特長は“香り”。アロマセラピーアドバイザーの資格を持つ中嶋さんは〈黒い弛緩〉が特に好みだそう。
「ビールに合わせて大丈夫?と思うようなハーブの香りなのだけど、数種類のハーブとビールの苦みがうまく調和している。オーソドックスなビール党の方にはおすすめしませんが、ワイン好きな方にはぜひ飲んでほしいです」
ほかにも香草や果実を採り入れるなど、そのテイストは「あえて万人には受け入れられないビールを造りたい」という田上さんの確固たるポリシーによるもの。実際に飲むと口の中に複雑な味わいが広がり、ビールといえば喉越しやキレといった印象が見事なまでに覆される。