「ねぇ、ちょっとやってみようか?」
週末自粛の要請が出たはじめての週末。いつもの仲良しメンバーのグループLINEでふと誰かが言い出したメッセージ。
それはSNSなどでも盛んに言われている“オンライン飲み会”の誘い。
SNSを通じてみんなが元気なのは知っているし、普段通りの日常を過ごそうとしている。
でもやっぱりそこはかとない“不安感”はぬぐいきれなかった。
よしやってみよう。
じゃあつないでみよう。
あれ、うまくいかないよー。
なんていって5人が集まった。
みんな部屋着、そしてメイクをしていない友人たちの顔に、「みんな顔がイケてないねー」なんて笑いながら画面越しで乾杯。
最初は自分の顔が映る画面に照れてしまったけど、それよりも何よりもホッとしてしまった。みんながちゃんといて、生活していることに。
いつも見慣れている顔たちの、どこか緩んでいる表情がなんだか嬉しい。
話す内容は、今見ているテレビの話、好きな芸能人の話……。いつもと変わりない内容だけど、出てくる言葉の最後には
「このムードが終わったら絶対に行こうね、やろうね」
今まではいつかやればいいと思っていた日常の些細なことも、キラキラ輝く宝石みたいな出来事だったのだと改めて思わされる。