毎日が慌ただしかったころ、「時間が出来たらはじめよう」と思っていたことがたくさんある。
ベランダ菜園、ペン字、外国語のレッスン、iPadで絵を描くこと、刺繍、『源氏物語』を読破する……。
「ステイホーム」が叫ばれるなか、私のウィッシュリストを振り返れば、そこには家で出来る楽しみの種が詰まっていた。これは、今こそ始めよ！ ということか。
そんな心の声に押されてさっそく試してみた新しい趣味。個人的おすすめポイントとともにご紹介しましょう。
【ペン字編】
字が下手なのが長年のコンプレックスだった私が、この機会に手に取ったのは萩原季実子さんの『誰でも一瞬で字がうまくなる大人のペン字練習帳』。
字がうまくなる、というよりうまく見えるテクニック満載で、ちょっと練習しただけで確かな手応えを感じるので満足度も高い。教本の字を慎重になぞる作業は、写経のように心を鎮める効果もあるように感じた。
【ベランダ菜園編】
まだ種を蒔いただけだが、必ず育てなければならない命があるって素晴らしいなという感想。毎朝ベランダに出て水をあげ、大きく育つ姿を想像する。そんな小さな楽しみを日々の暮らしに少しずつ蒔いていくことこそ、このおこもり生活、重要なのではないか。
何よりうまく育った暁には美味しくいただけるのも嬉しい。
【iPadでイラスト編】
iPadとApple Pencilさえあれば、すぐに始められるお絵かきは前からチャレンジしたかった趣味のひとつ。この機会に評価の高い作画アプリ、Procreateをダウンロードしてチャレンジしてみた。このアプリの素晴らしいところは、線がゆがんでも自動で直してくれたり、写真を読み込んでトレースできるなど機能がもりだくさんで、絵がうまくなくても、そこそこ満足の行くイラストが描けるところ。使い方が難しいかも、と最初は不安だったが、YouTubeでProcreateと検索すれば、わかりやすいマニュアル動画がごまんと見つかるのも人気アプリならでは。塗り絵が流行っているらしいけれど、お絵かきも、心を「無」にする効果が高そう。
【外国語のレッスン】
個人的にインドア趣味で一番やってよかったと思っているのがオンライン英会話。国内ニュースだけを眺めていると時々追い詰められたような気分になるけれど、インターネットを通じて、様々な国のいろんな世代の人と話すことで、ものの見方が多元的になり心のバランスも整うように感じた。いろんな国のいろんな価値観、考え方に触れられる機会は、今は語学の勉強以上に価値があるように思う。
そして、次は刺繍……。
というタイミングで、なんだか自分がぐったりしていることに気づいた。いや、もう刺繍までは無理……、源氏物語も、ちょっと無理……。
そりゃそうだ。
これまで休日といえば、平日の仕事の疲れを癒やすべく、ただ家でゴロゴロするだけだった私が、ここまで意識が高まったほうがおかしい。家にいる時間を有意義に過ごさねばならないと、ちょっと自分を追い詰め過ぎてしまったかもしれない。
自分の心が華やぐと感じる趣味なら続ければいいし、気分が乗らないなら止めればいい。大切なのは自分の心に寄り添って、今の自分に本当に必要なものとそうではないものを嗅ぎ分けること。そんな動物としてのプリミティブな能力が試されているように感じた。
これまでやりたくてもできなかったことを、今こそしても、しなくても。
それぐらいのしなやかさで、新しい趣味をそこそこ楽しみたい。（スイートピー）
家にいる時間が多くなって、家事と向き合う時間が増えたり、心配事が増えたり……。慣れない生活をしていると体は気づかないうちに疲れているものですよね。
人と会えればちょっとしたおしゃべりの中でそれに気付くこともあるけど、それも今は難しい。だから体の発する信号には敏感でいたいですね。
ところで、ベランダには何の種を蒔いたのでしょうか。人の家庭菜園の写真見るの好きです（笑）。小さかったり、変な形してたり、かわいいですよね。（編集部やまごや）
⇒投稿はこちらから！
※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ（税抜き）の価格となります。
