諦めていた衣類がよみがえると評判のダーニングに挑戦。
撮影・徳永 彩(KiKi inc.) 文・松本あかね
穴、シミ、虫喰いがチャームポイントに。話題のダーニングに挑戦。
シミや穴のせいで諦めていた衣類に少し手を加えるだけで、素敵によみがえると評判のダーニング。もともとはヨーロッパに伝わるかけはぎの技法。それをあえてカラフルな糸を使って仕上げる新解釈が広まるや、ここ数年で一大ムーブメントに。「誰しも肌になじんだ服や思い出のある服は長く着続けたいという願いがありますから」と話すのは、現代ダーニングを日本に紹介したテキスタイルデザイナーの野口光さん。
野口さんが主催するワークショップには、長年着込んだニット、家族が遺したカシミアのセーターなど、少々難はあるけれど、捨てるに忍びない衣類を抱えた人たちが駆け込んでくる。「ダーニングをすることで、また気持ちよく着られるようになる。すると皆さん『捨てなければ』という重圧から解放されて笑顔になるんです」。何よりそれが「家庭科の延長くらいの技術」でできてしまうのが魅力。それなら私にもできるかも……ということで、本誌ライター・松本が野口さんのお宅でダーニング入門編に挑戦してきました。
引っ掛けて穴の開いたニット、どうしたら?
・野口さんの道具箱・
針
・ 編み物用のとじ針
・ フランス刺繡針の極細糸用
針は中細の毛糸が通る編み物用のとじ針と、極細の刺繡糸用があれば間に合う。「まずは手持ちの針で始めてみてください」
糸
手縫い糸、刺繡糸、刺し子糸、毛糸、モヘアなど、針に通る太さであれば、どんな糸でも使える。
ダーニングマッシュルーム
野口さんが開発したオリジナル製品は、立ち型タイプ。机上に置いた状態で使える。なければ電球、お玉やこけしなどで代用可。
ゴム、ハサミ、糸通し
ゴムはヘアゴムで可。生地をダーニングマッシュルームに固定。ハサミは糸切りバサミ、糸通しは糸を頻繁に替える場合にあるとラク。
道具、著書の案内などは、https://darning.net