無駄な出費を減らす、料理研究家、牛尾理恵さんの節約術。
撮影・村上未知、文・嶌 陽子
増えがちな事務用品を、収納グッズとして再利用。
レシピ本などを多数出版しているため、デスクワークも多い毎日。自然と増えてしまう事務用品は、家の中の別の場所でも活躍させている。
「少し古くなったクリアファイルは、ストール類の仕切り板にしています。こうすると、ストールが出しやすいんです。小さなスカーフは、畳んでファイルの中に。専用のグッズを買わなくても、充分便利に収納できますよ」
クリップは乾物などの袋を閉じるのに使用。柔軟な発想で一つのアイテムを何通りにも使っている。
ストックの残量が分かると、買い足しの失敗なし。
キッチンの引き出しに収納している乾物やスパイス類。一目で中身と残量が分かる並べ方が特徴だ。
「乾物類はざっくりとジャンル別に分けて、透明のファスナー付き保存袋に入れています。スパイスは逆さにして収納。ラベリングをするのが苦手なので、ぱっと中身が見える方法にしているんです」
引き出しを開けるたびに残量が分かるため、買い足しのタイミングもつかみやすい。まだたくさん残っているのに新しいものを買ってしまった、という失敗をしなくてすむ。
専用品を買わずに、お気に入りのもので代用。
ラッキョウを漬けていた保存瓶を、ろうそくのストック入れに(写真1)。もともとのプラスチック製蓋は取り外し、代わりに箸置きなどを入れていた木製容器(写真2)の蓋を使った。
「箸置き入れは引き出しに入れているので蓋がなくても大丈夫なんです」
粘着ローラーのホルダーは、以前バリ島で買ったかごバッグの取っ手と蓋を取り外して使用(写真3)。蚊取り線香入れは一つだけあったシルバー製のフィンガーボウルで代用(写真4)。アイデアを駆使して、家にある好きなデザインのものを上手に活用中。
朝食時に冷蔵庫をチェックし、買い物は午前中に済ませる。
「お腹が空いている昼間や割引商品が多い夕方だと、つい無駄なものを買いがちに。そこで、買い物は午前中と決めています。午前中だとスーパーも比較的空いているため、誘惑やストレスもなく、落ち着いて買い物ができるんです。配達サービスなども午前中に行くほうがお願いしやすいんですよ」
朝食の際に冷蔵庫をチェックしてその日一日の献立を考え、朝食の後片づけをしながら、可能なものは下ごしらえを済ませておく。昼食や夕食の際には、その日買ってきたものを足して仕上げるだけ。食材を無駄にせず、時短にもなる方法だ。
筋トレをしていたら、食事や交通費の無駄が減った。
筋トレを始めたのがきっかけで、食生活も見直すようになった。ケーキなどの甘いおやつを買う頻度がぐっと減ったほか、外食もむやみにせず、とっておきの店に時々行くなど、メリハリをつけるように。さらに、交通費も以前よりかからなくなったという。
「ちょっとした距離なら、トレーニングのいいチャンスだと思って歩くように。タクシーに乗る回数は以前よりずいぶん減りましたね」
休日は自然の中でジョギング。健康的な体づくりが、結果としてお金のかからない生活に結びついている。
牛尾理恵(うしお・りえ)さん●料理研究家。手軽に作れる、おいしくて体にやさしい料理が人気。著書に『圧力鍋の大絶賛レシピ』(学研プラス)、『ラクうま! 健康! 大豆缶レシピ』(河出書房新社)など多数。
『クロワッサン』1014号より
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