ドリルで言葉づかいをブラッシュアップしよう!
撮影・黒川ひろみ 文・一澤ひらり イラストレーション・村上テツヤ
【中級編】次の文章が適切なら〇、 不適切なら ×をつけて適切な表現に変えてみましょう。
【◯ or ×】「この映画にはすごい感動しました」
× この映画にはすごく感動しました
【解説】副詞「すごく」が正しい用法。「すごい」は形容詞なので、「すごい量」など名詞を修飾するときに使う。「すごい(凄い)」はもともとひどいという意味で使われたが、今は肯定的にも使われる。
【◯ or ×】「明日でも全然いいです」
× 明日でも全然問題ありません
【解説】副詞「全然」は通常その下に否定的な表現を伴って全面的な否定を表す。「全然~ない」とセットで使いたい。混同されやすい「断然」は「明日のほうが断然いい」と肯定表現で受ける。
【◯ or ×】「次回、保険証をご持参ください」
○
【解説】「持参」には謙譲語「参る」が含まれているが、この場合、謙譲の働きはないので、相手側に使っても問題ない。尊敬語「ご~くださる」をつけて「ご持参ください」とするが、「お持ちください」を使ってもよい。
【○ or ×】「どうぞお召し上がりになってください」
○
【解説】「お〜になる」+「召し上がる」と、尊敬語を重ねた二重敬語になっている。厳密には「どうぞ召し上がってください」が正しい表現だが、この言い方はいまや慣用的に認められているので、使っても誤りではない。
【○ or ×】「(カバンを褒められて)このおカバンは、△△デパートさんで買ったんです」
× このカバンは△△デパートで買ったんです
【解説】自分の持ち物なので「カバン」でよく、デパートに「さん」は不要。名詞に「お」をつける丁寧語は「美化語」と言われるが、むやみに言葉を飾り立てると幼稚に聞こえる。
【○ or ×】「(子どもの学校の先生に)そのお話は、
うちの息子からも伺いました」
× その話は息子から聞いております
【解説】「伺う」は話をしてくれた相手(この場合は自分の息子)に敬意が向く謙譲語なので、適切ではない。「お話」は前述の美化語だが、悪い内容なら「話」のほうが自然。
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