無意識のその言葉づかいで、実はあなたは損をしています。
ちょっとした言葉づかいが人間関係の潤滑剤にもなれば、トラブルの原因にもなる。人材育成アドバイザーの平井理恵子さんにお話を伺います。
撮影・黒川ひろみ 文・一澤ひらり イラストレーション・村上テツヤ
【中級編】教養を疑われる日本語を使っていませんか?
多いのが文法や敬語の基本的なミス。
「『熱いうちにいただいてください』と言いがちですが、『いただく』は謙譲語で自分が食べることに使う言葉。『熱いうちに召し上がってください』が正しい言い方です。こうした尊敬語と謙譲語の混同にまず気をつけましょう。さらに、身内を高めてしまうミスにも要注意です。『頂く・伺う』などの謙譲語は、行為の関係先を立てる表現なので、夫から“頂いて”はいけません」
過剰な美化語と、敬語の重ねすぎにも注意したい。
「丁寧に話せばいいというものではありません。『お船に乗ってお友だちとお出かけに』などと話されると幼稚に聞こえます。『おっしゃられる』『お見えになられる』は二重敬語なので『おっしゃる』『お見えになる』で充分です」
へりくだりの表現、「させていただく」を多用するのも聞き苦しい。
「謙譲語の『〜させていただく』は、恐縮している気持ちを表す便利な言葉ですが、使いすぎは耳障りです」
慣用句の誤用も教養を疑われる原因。
「『的を射る』を『的を得る』、『取りつく島もない』を『取りつく暇もない』、などが間違えやすい。中途半端な理解の慣用句は使わないほうが無難です」
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