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肉じゃが【小林カツ代さんの家庭料理のレシピ】

本誌にも度々登場し、家庭料理の奥深さを伝えてくれた小林カツ代さん。受け継ぎたいレシピをその名文句と共に一番弟子・本田明子さんに教わります。

撮影・三東サイ

「牛肉はケチらず良いものを。強火で10分、ガーッと煮るの」

小林カツ代さんの看板レシピと言えば肉じゃが。’94年に放送されたテレビ番組『料理の鉄人』で勝利した一皿だ。

「普段はサラダ油を使っていたのですが、収録の時に使ったのはごま油。実はこれ、うっかりミスだったんです(笑)。『あ、間違っちゃった』という本人の声も残っているのですが、そのおおらかさが先生らしくて。今ではレシピはどちらも正解です」(料理研究家の本田明子さん)

 

 

じゃがいもはほっくり、牛肉の旨味がギュッ。

肉じゃが

【材料(4人分)】
牛薄切り肉200g じゃがいも4~5個(600~700g) 玉葱1個 サラダ油またはごま油大さじ1 調味料[砂糖大さじ1 みりん大さじ1 醤油大さじ2と1/2] 水1と1/2カップ

【作り方】
1.
玉葱は半分に切ってから縦1cm幅に切る。牛肉は食べやすい長さに切る。じゃがいもは皮をむいたら、まるごと水につけておく。加熱する直前に、大きめの一口大に切る。
2.鍋かフライパンに油を熱し、玉葱を強火で全体に熱が通るまで炒めたら、真ん中をあけるように縁に寄せる。
3.真ん中のスペースに肉を置き、肉の上に調味料を記載順に加える。菜箸で肉をほぐしながら全体に味をからめる。
4.こってりと色がつき味がなじんだら、じゃがいもを加えてひと混ぜし、分量の水を注いで表面を平らにする。蓋をして、強めの火で10分ほど煮る。途中で一度上下を返すように混ぜる。じゃがいもがやわらかくなったら、蓋をして火を止め、5分ほど味をしみこませる。

【カツ代さんのコツ!】

調味料は、肉をめがけて加える。すき焼きを仕上げるかのごとく、こってりと。
調味料は、肉をめがけて加える。すき焼きを仕上げるかのごとく、こってりと。
\鉄人に勝った田舎鍋!/「底が丸いので煮汁がよく回ります。中華鍋でもおいしくできますよ」
\鉄人に勝った田舎鍋!/「底が丸いので煮汁がよく回ります。中華鍋でもおいしくできますよ」
小林カツ代(こばやし・かつよ)さん●料理家、エッセイスト。1937年、大阪府生まれ。2005年にクモ膜下出血で倒れるまで本誌に度々登場。読者の人気も高かった。’14年逝去、享年76。
小林カツ代(こばやし・かつよ)さん●料理家、エッセイスト。1937年、大阪府生まれ。2005年にクモ膜下出血で倒れるまで本誌に度々登場。読者の人気も高かった。’14年逝去、享年76。
本田明子(ほんだ・あきこ)さん●料理研究家。1962年、東京都生まれ。短大卒業と同時に小林カツ代さんに師事。近著に『一生食べたいカツ代流レシピ』(文春新書)がある。
本田明子(ほんだ・あきこ)さん●料理研究家。1962年、東京都生まれ。短大卒業と同時に小林カツ代さんに師事。近著に『一生食べたいカツ代流レシピ』(文春新書)がある。

『クロワッサン』1005号より

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