【大草直子さん】バージョンアップし続ける、100年時代の人生の味わい方。
撮影・青木和義 ヘア&メイク・chisa 文・板倉ミキコ
「転換期に気づくためには、少しの違和感も見逃さないこと。」
仕事を使命と思えるようになった、人生の新しいステージがスタート。
今、大草さんは人生の新たなステージが始まっているのを実感している。
「自分のキャリアを2つに分けるなら、今は仕事というより使命と思って働いています。これまで周囲から頂いてきたさまざまなギフトを、みなさんに返していく段階に入ったなと思うんです」
大草さんの人生には、これまで多くの転換期やチャンスがあり、それを見逃さず行動に移してきた印象がある。
「転換期に気づくために、最初の違和感とか疑問を絶対見逃さないようにしています。メイクもそうじゃないですか。今までと同じものを使っているのになんだか冴えないと感じるとき。小さな違和感は大きな変化のひと欠片。それが埃のように溜まっていくとやっと気づきますが、その一片から見逃さず、ではどうすべきか、何をしようかとひたすら考えます。私は決断する時、自分の勘を大事にしていますが、決して思いつきではありません。考えに考え、頭がいっぱいになったとき、『今だ、これで行ける』って動きだすんです」
気持ちの浮き沈みが激しくならぬよう、機嫌よく過ごすことも心がけている。
「すごく忙しくしているように思われますが、嫌なことはしていませんし、文句を言いたくなる仕事ならやらない、と決めています。仕事もプライベートも、当然ままならない時はありますけど、なんでもシリアスに考えすぎないこと。考えすぎると動けませんからね。無理だったら、誰かが助けてくれるって気楽に捉えることも必要です」
家族は、大草さんのパワーの源。
「夫は充電器みたいな存在(笑)。家事をバックアップしてくれ、子育てもフラットな立ち位置から見てくれるのでありがたいです。19歳になる長女は私の足りない部分を補ってくれ、父親の違う弟と妹のケアをサポートしてくれているので、本当に助かっています」
やりたいことがいっぱいあり、老後を考える暇もないと大草さん。
「キャリアのピークを60歳に想定しようと最近まで思っていたんですけど、今は70歳かと(笑)。その先も仕事は続けたいし、『明日のスケジュールは何?』って息を引き取りたいんです」
『クロワッサン』1003号より
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