くらし

自分の“加害”に気をつけつつ、子どもたち自身が片づけられる工夫も。【モノハラ対策、我が家の場合】

家族の「モノ」にイライラせずに暮らしたい。そこで、ルールをつくって家族と折り合いをつけている「工芸喜頓」店主、石原文子さんに、話を聞いた。
  • 撮影・徳永 彩(KiKi inc.) 文・長谷川未緒
〈石原家〉 住居/築50年、集合住宅 間取り/2LDK(約80平方メートル) 家族構成/夫、10歳の長男、8歳の長女との4人暮らし

「気分よく暮らせるようにいろいろと線引きしていますが、考えてみたら、わたしのほうが加害者かもしれません」

と語るのは、『工芸喜頓』店主・石原文子さんだ。共に店を経営する夫は物欲も所有欲もなく、整理整頓も得意。唯一の趣味であるオーディオは店の事務所に置くよう交渉した。

「家にあるものは、わたしの好きなものばかりなので、『いいかげんにしたら』と言われることもあります」

小学校に通う子どもたちは、まだまだ手がかかるものの、自分の持ち物は自分で片づけられるようになってきた。

「長男は思い出があるからと、何でも取っておきたがる。でも増える一方なので、役割を全うしたものには、ちゃんとお別れしようねと話しています」

自身も増えすぎたものは上手に手放すよう心がけている。

「器はご近所の方に差し上げることも多いですね。モノハラ加害しないためにも、モノを持つ以上は、美しく飾ったり、使い切ったりしていきたいです」

[悩み]食器があふれる。

[対策]ストックルームへ移動。

購入したり、作り手から贈られたりして、日ごと増え続けている器類。食器棚に収まりきらなくなると、マンション地下にあるストックルームへ。「服の衣替えをするように、器も季節ごとに入れ替えています」

大きめの器はキッチン壁面に夫が取り付けた食器棚に。小さめの器を収めている食器棚もあり、総数はかなりになる。「全部気に入って使っているので、夫も納得しています」
各戸に1つ割り振られたストックルーム。石原さん宅のは8畳程度。
「まだまだスペースがあるので、さらに増えても大丈夫です(笑)」

[悩み]荷物が床に置きっ放し。

[対策]仮置き場を設置。

帰宅時にカバンや上着などを床に置きがちだった夫と子どもたち。玄関近くに荷物を仮置きできるソファを置いた。「あちらこちらに置かれるよりいいですし、スペースが決まっているので、置けなくなる前に部屋へ移動してくれます」

ソファは石原さんの休憩所でもある。「リビングだと落ち着きすぎて次に動くのが億劫になりますが、ここなら休んだあとさっと動けます」

[悩み]テレビ周りにゲームが散乱。

[対策]サイズの合う収納カゴを置く。

遊び終わったテレビゲームを片づけない子どもたちにイライラ。そこで収納用のカゴを用意。「自室へ戻してほしいけれどそれはハードルが高いので。私は捨てると言ったら本当に捨てるため(笑)、子どもたちはちゃんと片づけます」

「しまいやすい収納用品を用意してあげることも、きちんと片づけてもらうコツかもしれません」
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