【モノハラ解決の極意編】プロに学ぶモノハラ解決法。
イラストレーション・イオクサツキ 文・板倉ミキコ
様々な話を踏まえ、モノハラ対策にこれだけは押さえておきたい極意を総括。
心地よく暮らしていくためには、相手を変えるより、自分が変わるほうが早いと心して。
お互いの聖域を作る
「時間、空間を共有しすぎると、心理的に近くなり自分を見失いがちになります。他者の感情にコントロールされないために、お互いに自分だけの聖域を持つべき。個人のスペースを確保するのが難しいなら、別々に行動する時間を作るのも手です。すると相手のテリトリーや考えを尊重できる、心の余裕が生まれます」(小高さん)
否定から入らない
「自分が正しく相手が間違っているのではなく、相手にも正論があるのです。特に、何事も『○○するべき』と考える、義務で行動を起こすタイプは要注意。相手を否定する前に、そのとおりにやる必要があるのか冷静に考えてみて。ルールを決めつけていた、自分自身がイライラの種を作っていたことに気づく場合も」(小高さん)
共通のゴールを作る
「ある程度の年齢に達すると、女性は暮らしに対する意識が変わり、ものよりことに価値を見出します。一方男性は依然もの優位な人が多い。意識差を踏まえて夫にも理解しやすく、プラスとなるゴールを作るのが大事。こうなるともっと暮らしやすい、買い物より旅行のために貯金しよう、などの具体的な提案を」(安東さん)
イライラの原因を探す
「イライラや不快が、相手のモノハラが原因ではない可能性もあります。普段からその言動に不満を抱いていたから、ものの扱い方まで頭にくるのかもしれませんし、自分の時間がなさすぎるのが原因かもしれません。また、そもそも他人と生活することで摩擦が生まれるのは当然、と考えてみると少し楽になれますよ」(小高さん)
長期戦と考える
「長年続いた状態を、いきなり変えることは不可能。相手のペースも尊重し、長期戦と考えてジワジワ変化させていきましょう」(小高さん)。「今の家に対して思っていることを、一度全部出し合ってみてください。3年後、5年後のスパンでどんな状態がベストか話し合えば、今どうすべきかが見えてきます」(安東さん)
自分を愛する
「相手の言動を変えようとするより、自分自身をどう扱っているか見つめ直して。不快な状況を見て見ぬ振りでは、自分の心の傷を放置し、愛していないのと同じです。夫に自分を尊重してほしい、お互いの暮らしを大切に扱ってほしいと思うなら、まずは自分を大切に扱うこと。すると相手の態度も変わるものです」(安東さん)
小高千枝(おだか・ちえ)さん
心理カウンセラー。メンタルトレーナー、コーチ。個人・企業向けのカウンセリングサロンを主宰する。https://odakachie.com/
安東美紀子(あんどう・みきこ)さん
夫婦カウンセラー。夫と共に、夫婦のためのカウンセリングルーム「Life Design Labo」を主宰。http://life-design-labo.com
『クロワッサン』1002号より
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