くらし

現金が消える日は近い!?キャッシュレス先進国の決済事情。

現金を持たずに、スマホとカードだけで外出。そんなキャッシュレス先進国での人々の暮らしぶりを現地からレポートします。
  • 撮影&文・大迫美樹(スウェーデン)、伊勢本ゆかり(中国) 構成・小沢緑子

【スウェーデン】地下鉄、銀行、有料トイレ、蚤の市もキャッシュレス!

デビットカードとSwish(スウィッシュ)が主。

キャッシュレス化に拍車をかけた決済アプリ「Swish」。
カードケースにはデビットカード。小銭入れの中にコインはなく、ポイントカードとボタンなど。

ストックホルム在住
大迫美樹(おおさこ・みき)さん

コーディネーター、ライター。在住12年目。スウェーデン人の夫と暮らしながら、雑誌や広告、TV、日本企業の仕事を中心にコーディネート、執筆を手がける。

国への信頼度の高さ、IT好きも後押し。

スウェーデンでは、店舗や交通機関はもちろん、最近は蚤の市や銀行まで現金を使えない場所が増えています。普段の支払いはデビットカードとスマホ決済アプリ「Swish(スウィッシュ)」。どちらも銀行口座から直接決済。私も現金を手にしたのは1年以上前。現金が足りずATMに走ることもなくなりました。

キャッシュレス化が普及した背景には、スウェーデン人の国や公共機関に寄せる「信頼度の高さ」があります。高い税金を払っても子育て、医療などそれなりのリターンがあるため、普段の会話からも多くの人が自国に「いい国だ」と満足していると感じます。また、新しい技術が登場するとすぐに飛びつく「IT好き」も一役買っていますね。

今や買い物だけでなく、病院の支払い、レストランのチップ、教会への寄付、食事を割り勘にしたいときもカードやスマホで決済が可能。持ち歩く財布がコンパクトになったこともうれしい日常の変化です。スマホとカードケースのみで外出ができるので、バッグ選びの楽しさがぐんと広がりました。

ホテルのチェックインカウンターに「CA SH FREE(現金を扱わない)」の掲示。支払いはカードのみのホテルも増加中。
雑貨店の入り口には「No cash - card only(現金お断り)」。その下には「Dogs welcome(犬は歓迎)」の文字!
カード決済のみのオーガニックスーパーで、デビットカード「Blipp」で支払いをする大迫さんの夫。このタッチ型カードを使う人が今、増えている。
スーパーのセルフレジもカード払いのみ。店側が現金を扱わないことで、強盗などの犯罪抑制にもなっている。
テイクアウトコーヒーやパンが買える食料品店。店内には「現金払い不可」を示す「CASH」に×印を付けた看板。
公共交通機関で使用するICカードへのチャージは、カードで支払う。どうしても現金を使いたいときは、駅の改札近くにあるコンビニでチケットを購入。
銀行の入り口。現金のマークにまさかの×印! 現金を扱わない金融機関も。
デパートや公共施設などのトイレは基本的に有料。カードで払うと鍵が開く。1回10クローナ(約120円)ほど。
蚤の市では、Swishでの支払いがほとんど。決済画面に店側の電話番号を入力するか、QRコードを読み取る。
Swish用のQRコード。スマホで読み取り、支払額を入力して決済すると、送金した相手もすぐに確認できる。
夏の間、毎週末に開かれる蚤の市「ホンシュトゥールス・マルクナード」。友だち同士で不用品を売る人もいて、そんなときも個人間で少額のやりとりができるSwishは便利。
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