現金が消える日は近い!?キャッシュレス先進国の決済事情。
現金を持たずに、スマホとカードだけで外出。そんなキャッシュレス先進国での人々の暮らしぶりを現地からレポートします。
撮影&文・大迫美樹(スウェーデン)、伊勢本ゆかり(中国) 構成・小沢緑子
【中国】中国はどこに行っても、スマホ決済アプリが主役。
WeChatPay(ウィーチャットペイ)と交通カードだけ。
北京在住
伊勢本ゆかり(いせもと・ゆかり)さん
ライター。ヨルダンに2年半、アラブ首長国連邦に10年仕事で滞在後、上海、蘇州を経由し、北京在住3年目。日本の媒体にコラムを寄稿。
現金で支払おうとすると、「スマホ決済にして!」。
中国ではスマホ決済アプリ「WeChat Pay(ウィーチャットペイ)」と「Alipay(アリペイ)」が2大勢力。今どき現金支払いのみの店に出くわすと逆にびっくりします。普及の背景には、現金を持ち歩かなくて済む「安全性」、売り手も買い手も手数料がかからない「お得感」、ATMからも出てくる「偽札への警戒感」が。
今やスマホ決済は屋台でもOK。一方、高額紙幣は「お釣りがないからスマホにして!」と嫌がられることも。タクシー、シェア自転車などの交通手段の支払いにも欠かせませんが、地下鉄とバスだけはまだ小銭かICカードが主。お釣りが出ないバスでは、ほかの乗客から「小銭を貸して。WeChatで返すから」と頼まれたりも。
スマホ1つで支払いできる生活はこの上なく便利ですが、中国は監視社会。収集されるデータの行方が気になり、中国人に聞くと「何も隠すようなことはしていないから」と一笑に付されました。それよりも、今はスマホのバッテリー残量のほうが心配のようです。
『クロワッサン』1002号より
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