くらし

土地を愛して、縛られない。自由で軽やかな海辺の生活。

  • 撮影・MEGUMI(DOUBLE ONE) 文・平井莉生
広々とした窓から、風と光が気持ちよく抜けるリビング。天井の高い位置にも採光用の小窓がついていて、一日の長い時間光が入る。
玄関を入った正面に立てかけてある色鮮やかなサーフボード。ロングボードからショートボード、SUP 用まで、あらゆる種類のボードを所有している。
野崎さんが独学で奏でているというハンドメイドのウクレレ。模様と『グッデイコーヒー』のロゴを焼き印してもらったオリジナルだそう。

御前崎に生活の拠点を移したきっかけは、友人に誘われて始めたサーフィンとスノーボード。そして御前崎ではサーフィンのインストラクターをしていたパートナー、人見政志さんとの出会いも大きかった。しばらく東京の自宅で仕事をしながら、3カ所を行き来する生活を続け、「毎週末来るのならば、家を借りてしまったほうが便利だな」と考え、一軒家を借りた。そうして御前崎の生活をする中で、サーフスポットからもほど近く、風と光がよく通る気持ちのよい平屋と出合う。それが現在の自宅だ。もともとのオーナーはウインドサーフィンを愛する人だったということで、室内の天井は高く、ロングボードもゆうに立てかけられる。

「もっともっと身軽になりたくて、本当はもう少し小さな家が欲しかったんですけれど。それ以上にこの家が気に入って、決めてしまいました」

野崎さんは、東日本大震災後に思い切って東京の家を手放す。スタイリストとして活動してきた東京から離れることに対して、「名刺に書いてある住所が静岡だと仕事相手はどう思うかなと一瞬頭をよぎった」そうだが、あまり気にしないようにしたという。

「自分が求める生活と天秤にかけました。移住することでなくなってしまう仕事ならばもういいか、と思えた。しがみつき過ぎるとうまくいくものもいかなくなるから。固執しない・執着しないというのがモットーなんです」

ちょうど時代は「2拠点生活」や「ライフスタイル」に人々が注目しだしたとき。「面白がってくれる人もいて、自然と生活を移行することができました」

そうして野崎さんの軸足は徐々に東京以外の場所へと移っていく。

近所にある多肉植物の卸売店とも交流がある。部屋の至る所にいろいろな種類のグリーンが。
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