旅するような暮らしを実践中! 松尾たいこさんの三拠点生活。
撮影・土佐麻理子
地元コミュニティとの交流など、拠点を持つことで世界が広がる。
拠点が増えるのに反比例して、どんどん荷物が少なく身軽になっていく松尾さん。旅するように暮らし、暮らすように旅する毎日はうらやましい限り。
「東京は駅の近くに引っ越したので車を処分しました。東京の家では絵の仕事を、福井では陶芸を、軽井沢ではそれ以外の執筆などの作業を、とそれぞれの家で行うことを分けているので、行き来の際に道具などを運ぶ必要もありません」
2拠点時は両方の家にデスクトップを置いていたが、今はノートパソコンに。それも将来的にはiPadProだけを持ち歩くようにしたいそう。
海水浴、地産地消の味覚……。 地元コミュニティとの交流も。
「アクリル絵の具以外の技法を試してみたいといろいろ探した中で、一番ハマったのが陶芸。始めて5年になる今でも、まだまだ模索中です」
広いアトリエには制作中の作品や完成品がそこかしこに並んでいる。松尾さんの描くイラストにも通じる、ポップな色使いや優しい表情に気持ちも温かくなる。
「試作中のものも多いんですが……。まず自分自身が楽しくなれるものを作りたいですね。といっても、作陶中は無心なんです(笑)。陶芸は、焼き上がりが予測つかない、そのワクワク感にずっと惹かれ続けています」
もちろん、福井の暮らしは陶芸制作だけではない。家から水着のまま海水浴に行き、そのまま風呂場へ直行できるこの家は、東京から遊びに来る友人たちも大喜びだそう。またおいしいもの好きの松尾さん、福井の銘酒や季節の味覚も満喫し、名店探しにも日々余念がない(本誌995号では、福井の味が東京で堪能できる料理店も紹介してくれました)。
「福井は、海のものにも山のものにも恵まれています。地元の漁師さんや、畑を持っている友人との交流も楽しい。ただそこに住むだけではなく、地域のコミュニティと関わることで自分の世界が広がっていくのも、多拠点暮らしの魅力のひとつだと思います」
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