慢性閉塞性肺疾患(別名:COPD) (まんせいへいそくせいはいしっかん)

原因と特徴

たばこの煙などに含まれる有害物質を長期間吸い込み続けることで、肺が常に炎症を起こし、呼吸機能の低下を招く疾患です。咳と痰、運動などをしたときに息切れするのが特徴ですが、老化による症状と勘違いされ、病気を見逃してしまうケースも少なくありません。そのため、症状があるにもかかわらず、治療を受けていない患者が多い病気でもあります。COPDが進行すると、息切れするために体を動かさなくなり、全身の筋肉量が減少して筋力が衰えたり、糖尿病や骨粗しょう症、うつ病などの病気を引き起こしたりすることもあります。

治療

根本的な治療法はなく、一度壊れてしまった肺状態を元に戻すことはできないため、去痰剤の内服や酸素吸入などによって症状を緩和させる対症療法が行われます。また喫煙習慣がある場合は、禁煙も治療において大切です。呼吸機能の回復や維持を目的として、呼吸器内科での呼吸器リハビリテーションや運動療法が取り入れられることもあります。

受診の目安

咳が激しい

風邪の症状の一つとしてみられる咳ですが、咳の種類や持続期間によっては別の病気が隠れていることがあります。なるべく早く受診すべきときの症状としては、息が苦しく横になることができない、呼吸とともにヒューヒュー、ゼイゼイとした音が聞こえるなどです。また、咳が2~3週間以上続くときや、痰に血が混じるときは近日中に内科や呼吸器内科へ受診を。風邪によるものであることがわかっていたり、日常生活に支障がなく2週間以内に咳が治まったりする場合は、安静にして様子をみましょう。

監修

前田裕輔 (まえだ・ゆうすけ)

グランプロクリニック銀座院長

関西医科大学卒。内科専門医、日本抗加齢医学会専門医。

https://granpro-clinic.com/

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