キウイにカリフラワー、マスカットと梨、スイカとモッツァレラ……福田里香さんの著書『新しいサラダ』を読んで、サラダの概念が変わったという人は多い。
「私にとっては、野菜でケーキを作っている感覚。お菓子のつながりで果物があって、果物のつながりで野菜がある。境目がないんです。卸売市場ではスイカやイチゴって、野菜分類なんです」
え、知りませんでした! そういえば、今回のズッキーニのサラダはミルフィーユみたいだし、いちじくのサラダにのったマッシュルームは、クリームで作った花びらのようにも見える。
「見た目もきれいで、カラフルで。味の組み合わせ、色の組み合わせを考えて、こんなふうに食べたらおいしいのではないかと、いつも実験を重ねています」
漫画に描かれる「食」についての評論が有名な福田さんだが、サラダへのアプローチも極めて分析的なのである。
「野菜自体も新しいものが出てきてるし、大根ひとつとっても、赤や緑、オレンジ、外が緑で中が赤とか、多種多様。調理器具で切り方を変えれば、食感も味も変わってくる。それなら、ソースをさらっとさせようか、からまるようにしようかと、考えだすと止まらないんです」
ベジ・ファーストで、野菜から食べる人が増えた今、サラダはスターターの役目としてもっと重要になると福田さん。
「見て美しい、楽しい、驚きがあって、おいしくなければ。おいしいものは、きっと健康にも肌にもいいと信じています」