8つの生活習慣で脳のマンネリ化を防いで、もの忘れ改善!
脳には使い切れていない細胞が山ほど眠っています。日常生活の中で意識的にそれらを刺激することで、脳は何歳になっても成長することができるのです。もの忘れの改善だけでなく、認知症予防に繋がることも。
撮影・角戸菜摘 文・黒澤祐美 イラストレーション・イオクサツキ
5.家事をスローモーションで行う
「段取りを考えながらカラダをこまめに動かす家事は、脳機能をバランスよく使うため、脳の老化を防ぐことができます。ふだん食洗機やロボット掃除機に頼っているようであれば、ときどき自分の手足を使ってゆっくり丁寧に家事を行ってみましょう」
たとえば、食器洗い。スポンジに洗剤をつけて泡立て、香りを感じる。汚れを目で見て確認し、一皿一皿ゆっくりと磨く。水の流れる音を感じながら泡を落とし、水切りかごに入れていく。このように五感をフル活動させてゆっくり家事を行うことで、脳が「どう動くか」を整理でき、頭の中がクリアになる。
6.食べる順番を変えてみる
あまり意識することのない毎日の食事だが、目で見て楽しみ、香りや味も楽しむことで、実は脳のあちこちが刺激されている。「何から食べよう」
「どの調味料を使おう」と脳で考え、箸を使って口に運び、咀嚼し、飲み込むといった一連の動作のなかでも運動系、視覚系といった脳がフル稼働。
「3食の食事を脳トレーニングにする一つのテクニックとして、食べる順番を変える方法があります。たとえば生姜焼き定食を食べるときに、普段メインの生姜焼きを口にしてからご飯、副菜、味噌汁と食べている人は、最初に味噌汁を飲み、副菜を食べて、メイン、そしてご飯を食べる、といった具合です」
料理をよく噛むことも大切。
「咀嚼は脳を刺激して覚醒させる効果があります。現代人は硬いものをあまり食べない傾向にあるのですが、白米を雑穀や玄米にするなどして意識的に噛むべき。いつも同じ歯で噛むのではなく、左右の歯、前歯や奥歯など、バランスよく噛むようにすると脳の頭頂葉が活性化されます」
7.新しいことにチャレンジする
脳を成長させて、かつその機能を最大限に使うには「ワクワクした気持ちで生きることが大切」と、加藤さん。前向きになると、それまで脳の中で眠っていた潜在能力細胞を目覚めさせることができるという。
「日々同じルーティンのマンネリ化した生活を送っていると、脳もマンネリ化してしまいます。これを防ぐには、脳に新しい刺激を与えることが必要。なにか習い事を始めることも有効ですが、ハードルが高ければ、いつもと違うスーパーに行く、美容院を変えてみる、たまには銭湯に行く、といったようなことでも構いません」
8.脳が若返る食材を意識的に選ぶ
高コレステロール血症、高血圧、糖尿病の人は認知症のリスクが高まりやすい。そのため、これらの病気を招く食べ物は避け、脳を健康に保つ食材を積極的に摂りたい。
下は脳に良いとされる栄養素と、それらが含まれる食材。認知症予防に効果がある「プラズマローゲン」、老化物質を溶かす働きがある「オメガ3系の脂肪酸」、神経や脳の働きをよくする「ビタミンB群」、不足すると認知症やアルツハイマーのリスクが約1・5〜2倍に高まる「ビタミンD」、脳細胞間の伝達系経路の活性化を助ける「カルシウム」、記憶力向上やもの忘れ防止に力を発揮する「レシチン」、甲状腺ホルモンの原料「ヨウ素」、そして脳を活性酸素によるダメージから防ぐ「ビタミンACE」などだ。
脳にいい栄養素と、食材の一覧。
●プラズマローゲン
ホタテ、タコ、鮭
●オメガ3脂肪酸
エゴマ油、くるみ、イワシ、カツオ、マグロ
●ビタミンB群
豚肉、にんにく、卵、納豆、あさり、タラコ
●ビタミンD
干ししいたけ、しらす、あん肝、きくらげ、サバ、ニシン、スジコ、鮭
●カルシウム
小松菜、シシャモ、ごま、乳製品
●レシチン
大豆、うなぎ、鶏レバー、ピーナッツ
●ヨウ素
海苔、ワカメ、ヒジキ、メカブ
●ビタミンA、C、E
かぼちゃ、いちご、アーモンド、パプリカ
『クロワッサン』997号より
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