【買ってよかったもの】透け感と細やかな手仕事が魅力の、アルバニアの手織りコットンストール。
写真・文 クロワッサンオンライン
みなさんは「アルバニア」という国をご存知でしょうか。
ちょっと検索してみると、「1990年頃まで鎖国していた」「ネズミ講で一度国が破綻」「ヨーロッパ最貧国」などというあまりポジティブではない情報がヒット。加えて紛争のイメージが強いバルカン半島にあることもいっそう日本人の旅心をくすぐらないようで、一説によると日本人が生涯においてアルバニアを訪れる確率は「わずか5%」(旅常人ブックス『アルバニア ヨーロッパの秘境地』吉盛一生著)なのだそう。
そんなアルバニアですが、「絶景だらけ」「人が優しい」「物価が安い」「食べ物がおいしい」など、複数の旅好きからのプッシュもありこのゴールデンウィークに思い切って1人で旅してみました。
結論からいうと、「前情報悪すぎ!!」。
治安もよく人々も親切で、特に海や山などの自然に恵まれ、欧米の若者に大人気の、美しい観光地でした。
ギリシャの上、海を挟んでイタリアの隣にあるヨーロッパの国ながら、物価はものによってはその両国のおそらく5分の1程度。とにかく何もかもが激安です。
たとえば首都ティラナの、いわば表参道みたいなエリアにある、おしゃれなカフェでマフィンとコーヒーをいただいても180レク、日本円にすると約180円(以下、旅行当時のレートで円表記します)、本場イタリアの味の2人前くらいある巨大ピザを食べても700円、ジェラートが2スクープで100円、ビールはジョッキ1杯200円といった具合。
あまりに何もかもが安いので、数日いるとだんだん金銭感覚がおかしくなってきます。具体的に言うと1,000円を超えると「高い!」と思うようになってしまうのです。おかげで、せっかく足を延ばした山間の村のオールドバザールで、うっかり財布の紐を締めてしまい、今思えば激安なのに1,000円〜2,000円程度の手仕事のラグマットとかストールとかを買いそびれる始末。タイムマシンがあったら2週間前に戻って財布の紐を緩めたい。
そんなこんなで、うっかりたいした買い物もできずにいたアルバニアの最終日、首都のティラナで出合ったのがこちらの手織りコットンのストール。
首都なんだしオールドバザールで見たような民芸品の店ぐらいあるだろう、とたかを括っていったら一切なくがっかりしていたところ、国立歴史博物館のミュージアムショップでかわいいアルバニアの手仕事の品々を発見。
並んでいる商品はすべて1990年より前に作られた(いわば30年以上前)「すべてハンドメイド」のものだそうで、博物館ならでの目利きで選ばれているせいか、クォリティも全般的に高め。
写真のストールは一枚3,000円で、うっかりアルバニア感覚で「高い!」と思いかけましたが、いやいや、十分安いでしょ! と思い直して購入。透け感があり、軽やかで、繊細な模様は高級感もあり、これからの冷房シーズンに大活躍しそうです。
正直言って、お買い物を目当てに行くような国ではないと思いますが(観光のセールスポイントは大自然と史跡のよう)、もしアルバニアのどこかで良いものを見つけたら、まずは金銭感覚を日本に戻してから判断されるのをおすすめします! (クロワッサンオンライン のぐぽん)
のぐぽん
『クロワッサン オンライン』ディレクター。戦国武将から昭和の名建築まで、ちょっと昔のものにときめきがち。痩せようと思って始めた筋トレなのになんだかガッチリ体型になってきたような…というのが最近の悩み。インターネットと連ドラと猫と旅行が大好きです。
※1アルバニア レク=1円(2019年5月初旬のレート)
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