からだ
くらし

ぬか、麹、酒粕ほか、さまざまな漬け床の長所でご紹介する、全国漬物図鑑。

  • 撮影・青木和義、角戸菜摘 文・一澤ひらり

[塩]

素材の食感を残しつつ保存性が増し、地域や素材由来の乳酸菌により腸内環境や免疫力が高まる。時間が経つと古漬けになり菌量も味わいも増す。

赤かぶ漬[岐阜]
飛騨高山特産の赤かぶを塩漬けで乳酸発酵させたもの。皮に含まれるアントシアニンは抗酸化作用があり、発酵熟成によってきれいな紅色に。

すぐき漬[京都]
京漬物で、かぶの一種であるすぐき(酸茎)を塩だけで漬け込み乳酸発酵させたもの。この漬物から免疫力を高めるラブレ菌が発見された。

梅干し[和歌山]
発酵しない漬物の代表格。強い酸味の主体はクエン酸で整腸や食欲増進、殺菌などの効果があり、梅成分だけでなくシソ成分の効果も併せ持つ。

広島菜漬[広島]
九州の高菜、信州の野沢菜と並び、日本の三大漬け菜と称される広島菜。ビタミンC、βカロチン、カリウム、カルシウムなどを含み、食感がよい。

高菜漬[福岡]
高菜の辛み成分、アリルイソチオシアネートは抗酸化作用が強く、殺菌・抗菌効果も高い。味わい深い古漬けは料理の素材としても重宝。

島らっきょう漬[沖縄]
一般のらっきょうより小さくて長く、ネギに似た強い辛みがある。特有のにおい成分のアリシンはビタミンB1の働きを高め、疲労回復に効果が。

[無塩]

すんき漬[長野]
長野・木曽地方で「すんき菜」と呼ばれる赤かぶの葉で作る。塩を使わずに植物性乳酸菌のみで発酵させる。整腸作用は抜群で免疫力も高める。

金内 誠(かなうち・まこと)●宮城大学 食産業学部 教授。1971年、山形県生まれ。博士(生物環境調節学)。監修した書籍に『すべてがわかる!「発酵食品」事典』(世界文化社)など。

『クロワッサン』973号より

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