“隠れ心不全”とは? など、心臓を守るための6つのQ&A
長寿国日本に忍び寄る「心不全パンデミック」という危機など、心臓の病への不安や疑問を日本医科大学 武蔵小杉病院 循環器内科部長の佐藤直樹さんに聞きました。
撮影・中島慶子 文・及川夕子
Q. もし、急性心不全で身内や自分が倒れたらどうする?
心不全を起こす病気には前兆があります。胸がドキドキする(不整脈)、胸が痛い・締め付けられる(狭心症、心筋梗塞)、息が切れる、動悸がする、疲れやすいなどです。
うっ血性心不全では、発作性の夜間呼吸困難が起こります。重症になると、横になっていても息切れが起こり、苦しくて椅子に座る姿勢をとらずにいられない「起坐(きざ)呼吸」という状態になります。この状態になると危険なので、一刻も早く救急車を呼んでください。深夜に症状が起こると、朝まで様子を見ようとして手遅れになることがあります。病院への搬送時間が45分を超えると、死亡する確率は2倍になるというデータもあります。
そのほか、ひどい呼吸困難、速い呼吸、青白い皮膚なども危険なサインです。突然倒れて意識がない、呼吸をしていない場合は、心筋梗塞を起こしている可能性があります。すみやかに救急車を呼び、到着まで心臓マッサージなどを行うようにしましょう。
病院搬送時間と院内死亡率
佐藤直樹(さとう・なおき)●日本医科大学 武蔵小杉病院 循環器内科部長。日本医科大学医学部卒業。専門は心臓の病気の診断、治療。心不全予防の啓発活動にも力を入れている。
『クロワッサン』976号より
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