からだ

Vol.39 お尻が痛く、触ると腫れています。【40歳からのからだ塾WEB版】

こんにちは。ライターの及川です。
私の元気の元は、美味しい食事と睡眠、そしてヨガなのですが、先日、リストラティブヨガというものを初めて体験してきました。セラピー要素の高いヨガで、深〜いリラックス状態を味わうことができます。活発に動くヨガも大好きなのですが、この静かなヨガにもハマってしまいそうです。

さて、今回は、お尻の悩みの2回目。「お尻の血豆」「お尻の風邪」とも呼ばれている、血栓性外痔核に注目しました。
例えば、屋外でバーベキューなどを楽しんだときやお酒を飲んだ翌日に、急にお尻に腫れ物ができた! かなり痛い!という経験はありませんか。初めての人は、ビックリすると思いますが、血栓性外痔核は「お尻の風邪」と言われるように、割とよくある症状なんだそうです。どんなときになりやすいのかや、予防法・対処法などについて、大腸肛門病専門医の山口トキコさんに聞きました。
  • 文・及川夕子 イラストレーション・小迎裕美子

お尻の風邪
血栓性外痔核とは?

大腸肛門病専門医の山口トキコさんによると、痔には大きくわけて

 ●腫れものができる「痔核」
 ●肛門に膿のトンネルができる「痔瘻」
 ●肛門の皮膚が切れる「裂肛(切れ痔)」

の3種類があります。
このうち、「お尻に強い負担がかかることで、血管を含めた肛門を閉じる役割をするクッション部分が腫れたものを痔核といいます」(山口さん)。

さらに痔核には、

 ●肛門内側にできる「内痔核(イボ痔)」
 ●急性的に肛門の外側にできる「血栓性外痔核」

があります。

激しい痛みを伴う「痔核」

肛門周囲に血栓(血の塊)ができて腫れあがったもの。皮膚がやぶれて出血することがある。激しく痛む。血栓が消えて無くなれば腫れも治まる。

血栓性外痔核は、外にできたものなので、指で押し込んでも肛門の中には戻りません。肛門の奥にできる内痔核とは、そこが違います。
「内痔核は直腸粘膜にできるので、痛みはほとんどありません。それに対し、外痔核は、知覚神経が通っている皮膚が腫れるため、痛みを感じます」(山口さん)

原因はうっ血
血栓性外痔核の特徴は?

血栓性外痔核と書くと小難しい感じがしますが、要は「血栓(血の塊)」=血豆ができている状態。

 ●パチンコ玉のような丸いものが飛び出している
 ●触るとコリコリ硬い
 ●腫れ始めはムズムズかゆく、その後痛みが出る

こんな症状が特徴的です。
症例写真をいくつか見ましたが、見た目も血豆そのものでした。ただ、血栓は小さいものから大きいものまで、人によりさまざま。大きいと、それだけ痛みもつらくなりそうです。

血栓性外痔核は、日常によくあることから起きているケースがほとんどです。

 ●便秘でいきみすぎた
 ●引っ越しなどで、一日中立ったり座ったりの作業をしていた
 ●お尻のふきすぎ
 ●乗馬をした
 ●お尻を冷やした
 ●アルコールや辛いものをとりすぎた

などがきっかけになります。中には、「Tバックを履いていてこすれた」なんてケースもあるそうですよ。
「肛門には静脈が多数集まっていますが、お尻は心臓より低い位置にあるために、肛門に圧力がかかると、うっ血しやすいのです。無理をしたときや疲れたときに、風邪を引きやすいのと同じで、お尻に負担がかかるとできやすくなるのが血栓性外痔核と、覚えておきましょう」(山口さん)

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