からだ

Vol.36 緑内障になりやすい目と言われました。【40歳からのからだ塾WEB版】

  • 文・及川夕子 イラストレーション・小迎裕美子

緑内障はいくつかのタイプに分けられる

緑内障の大半は「原発緑内障」です。そのほか、目以外に原因がある「続発緑内障」や先天的な「小児緑内障」もあります。日本人に多いのは「正常眼圧緑内障」です。

【男女比では女性に多い急性緑内障発作について】

緑内障の多くは、自覚症状があまりないままゆっくり進行するのですが、特殊な緑内障として「急性緑内障発作」があります。富田さんによると「急激に眼圧が上昇し、激しい頭痛、眼痛、視力低下、吐き気など全身に症状がみられます。脳の病気を疑うこともあるほどです。この発作は、早急に適切な治療を行わないと失明することがあり、要注意です。大至急、眼科や救急病院を受診しましょう」
眼球の隅角という部分が狭い人では、この発作が起こるリスクが高いとされています。また、男女比では中年以降の女性に多いとされている緑内障なので、覚えておきたいですね。

緑内障は食べ物や運動で予防できる?

最後に、緑内障を予防する方法はあるのか聞いてみました。例えば、目を酷使しすぎない方がよいとか、目に良い食べ物を摂るとか、1つぐらい何かありそうですが。富田さんの答えは……
「目を使いすぎることで、緑内障が悪くなるなどの報告はありません。ですから、目を休めたから予防できるというものではないですね。食べ物にも制限はなく、特に緑内障によいという食べ物も特定されていません。運動は、血行をよくしてむしろ眼圧を下げる可能性があるので、健康のためにも適度な運動を心がけるのはよいことです」とのお答えでした。

病気発見には定期検査やセルフチェックが役に立ちます

緑内障は予防がなかなか難しい病気のようですが、早い段階で見つけて治療を始めれば、視神経の障害の進行を防ぐことができます。やはり、定期検査が役に立ちそうですね。

住民健診などに、眼科健診のメニューがある場合もありますが、ない場合も。それに、40代以降は、目の悩みや病気の心配が増えてくる年代です。「いい機会なので、症状がなくても一度は眼科を受診し、視力、視野、眼圧、眼底の検査などを受けておくとよいですね」と富田さん。

ちなみに、私は、30代のときにたまたま健診で眼圧検査を受けたことがあり、「緑内障になりやすい(形の)目ですね」と言われたことがあります。その後、眼科を受診して詳しい検査をしたら心配いらなかったので、そのまま過ごして現在に至ります。今は、かかりつけの眼科医に定期的に診てもらっていて、今のところ異常なしです。花粉症の季節には目のアレルギー症状を診てもらうこともあり、かかりつけの眼科医がいるとなにかと心強いものです。

自分でできることとしては、視力低下や視野欠損があっても、両目で見ていると、異変に気づきにくいものです。ときどき、片目でものが正常に見えているか、セルフチェックをしてみるのもお勧めです。

ご協力いただいた医師
富田剛司さん 東邦大学医療センター大橋病院眼科診療部長、教授
とみた・ごうじ●岐阜大学医学部卒業。米国留学、東京大学医学部眼科助教授などを経て現職。日本緑内障学会理事。専門分野は緑内障で学術活動や研究にも力を注いでいる。

※症状や治療法には個人差があります。必ず専門医にご相談ください。

ライター、メノポーズカウンセラー 及川夕子

更年期、まっただ中のライター。最近、ちょっと休んだぐらいでは疲れが抜けなくなってきて、以前よりもカラダのメンテが欠かせなくなったと実感。とはいえ、カラダの変化をポジティブに捉え、同年代の女性の健康に役立つさまざまな情報をお伝えしていきたいと思っています。ただいま、ヨガやマインドフルネスを実践中。ホルモン補充療法も試してみたい!

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