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決め手はお尻の柔らかさ。背中のラインを美しくする方法【後編】

美しい姿勢に重要な筋肉をストレッチで柔らかくする方法をスポーツ&サイエンス主宰の坂詰真二さんに教えてもらいました。

撮影・清水朝子 ヘア&メイク・遠藤芹菜 モデル・くらさわかずえ イラストレーション・川野郁代 文・大澤はつ江

すっと伸びた美しい背中は、見た目も若々しい印象になる。そのために必要なのは、身体の前面の3つの筋肉とお尻の筋肉のしなやかさ。それぞれの筋肉の効果を上げ、身体がリラックスするには、首→胸→腹→臀部の順番で行うといい。筋肉が伸びていく心地よさが実感できる。ストレッチを行う時間帯に制限はないが、お風呂上がり後の就寝前がおすすめだ。終了すると心身がリラックスし、安眠にも一役買う。4つの筋肉、すべてをまんべんなく伸ばすのに効果的な2つのストレッチは、仕事や家事の合間に行うと、気分転換にもなり次の作業の効率をアップさせること、請け合いだ。簡単でどこでも気軽にできるストレッチなので、取り入れてみては。もちろん、先の4つのストレッチと並行してもいい。無理をせず、痛みを感じない範囲で行うことも大切。

美しい姿勢を保つ4つの重要な筋肉。

大殿筋の柔軟性が骨盤を正しい位置に導き、前面 の3つの筋肉が身体をまっすぐにし、美しい姿勢 を保つ役目を担う。
大殿筋の柔軟性が骨盤を正しい位置に導き、前面 の3つの筋肉が身体をまっすぐにし、美しい姿勢 を保つ役目を担う。

【胸鎖乳突筋】首の前部にある筋肉。伸ばして首のこりを取る。

顎を引いて頭を前に倒す働きがある筋肉。机上での勉強や事務仕事などは目線といっしょに頭も斜めに下がるので、長時間同じ姿勢を続けていると、この筋肉が縮み、固くなりやすい。日常生活の中では、見上げる動作が少ないため、伸ばすことがあまりない筋肉だ。顎を上げ頭を後ろに倒し、胸鎖乳突筋を充分に伸ばすことで、首のこりが取れ、フェイスラインがシャープになる効果もある。

足を肩幅に開き、背すじを伸ば して立つ。両手を合わせ、脇を 締める。顎の下に親指を置く。
足を肩幅に開き、背すじを伸ば して立つ。両手を合わせ、脇を 締める。顎の下に親指を置く。
親指で軽く顎を押し上げる。自 然に呼吸をしながら 10 秒間静止 し、元に戻る。3セット。
親指で軽く顎を押し上げる。自 然に呼吸をしながら 10 秒間静止 し、元に戻る。3セット。

【大胸筋】胸にある筋肉。胸を張ることで肩甲骨が閉じる。

腕を後方から前方に引き寄せる働きをする筋肉。反対に腕を前方から後方に引くことで伸ばされる。腕を後方に引いて胸を張り、さらに肩も引くと肩甲骨が閉じて、背中がすっきりしてくる。肩を交互に床につけるストレッチは大胸筋をしっかり伸ばすことで、同時に肩甲骨周りの筋肉のこりの予防に。また、肩が後ろに引かれ、美しい姿勢になる。

両手両膝を床につけ、手は肩 幅の2倍、膝は腰幅に開く。 片方の肩を床につけ、腕はま っすぐに、反対の腕は肘を曲 げる。
両手両膝を床につけ、手は肩 幅の2倍、膝は腰幅に開く。 片方の肩を床につけ、腕はま っすぐに、反対の腕は肘を曲 げる。
目線は真横にすえ、自 然な呼吸で10秒静止。左右3 セット行う。
目線は真横にすえ、自 然な呼吸で10秒静止。左右3 セット行う。

【腹直筋】腹部の前にある筋肉。固くなると猫背の原因に。

背中を丸める働きがある筋肉。立ち作業や座業などで、背中を丸めた姿勢が長時間に及ぶと、腹直筋が縮んだままになり、そのまま固くなってしまう。それに伴い骨盤も後傾し、背中はますます丸くなる。意識的に背すじを伸ばさないと猫背が定着してしまい、首、肩、腰など、背面の張りやこりの原因にも。

両手両膝を床につけ、手は肩幅、 膝は腰幅に開く。背中を丸め、 目線は下に向ける。
両手両膝を床につけ、手は肩幅、 膝は腰幅に開く。背中を丸め、 目線は下に向ける。
丸めた背中を反らす。目線を斜 め上に向け、自然な呼吸で10秒 静止。これを3セット行う。
丸めた背中を反らす。目線を斜 め上に向け、自然な呼吸で10秒 静止。これを3セット行う。

【大殿筋】お尻の後部にある大きな筋肉。よい姿勢の要。

股関節を軸に脚を後方に引く働きがある。大殿筋が固くなると、骨盤が後傾してしまう。そうなると、後ろに倒れやすくなるので、バランスをとるため、背中が丸まり、猫背の姿勢になる。大殿筋を伸ばすことで、背中のS字カーブが保たれ、肩が引かれた美しい姿勢に導く。すると背中がすっきりしてお尻の形も整う。

床と腰の間にやや隙間ができる ように背すじを伸ばし、仰向け に寝る。片方の膝を立てる。
床と腰の間にやや隙間ができる ように背すじを伸ばし、仰向け に寝る。片方の膝を立てる。
膝を抱え、胸に引き付ける。そ のまま自然な呼吸で10秒静止。 反対の脚も同様に。各3セット。
膝を抱え、胸に引き付ける。そ のまま自然な呼吸で10秒静止。 反対の脚も同様に。各3セット。

『クロワッサン』952号より

●坂詰真二さん スポーツ&サイエンス主宰/多方面の運動指導、後進の育成に尽力する。著書に『お尻をほぐせば「疲れ」はとれる』(ベスト新書)など。

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