【前編】危険な血糖値の乱高下を防ぐ、糖質と脂質の上手な摂り方。 | ダイエット | クロワッサン オンライン
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【前編】危険な血糖値の乱高下を防ぐ、糖質と脂質の上手な摂り方。

健康を害するだけでなく、肥満の要因ともなる血糖値の急上昇、急降下。糖質と脂質の正しい摂り方を知って太らない食習慣を。
  • 撮影・岩本慶三 ヘア&メイク・外山友香(大平さん) 文・一澤ひらり

食後血糖値の上昇度合いを示すGI(グライセミック・インデックス)という指標がある。太りにくい食べ方を効率的に実践できるありがたい指標だ。その研究者である金本郁男さんに、大平一枝さんが望ましい食事法や有効な食材について聞いた。

薬学博士の金本郁男さん(左)、文筆家の大平一枝さん(右)

大平一枝さん(以下、大平) 私も糖質オフの食事を試したことがあるのですが、残念ながらそれほど効果は出ませんでした。炭水化物をガッツリ食べている男性には効果があるように思いますが……。

金本郁男さん(以下、金本) 女性はふだんからダイエットを考えて糖質に対する意識の高い方が多く、トータル摂取エネルギーに占める糖質の割合が男性よりも低いからだと思いますね。ただ極端な糖質制限で体重を減らすことが体にいいとは言えません。それに1日に摂取する糖質量を120ℊまでに制限したダイエットの安全性は、2年間までしか確認されていないのです。

大平 そうなんですか?

金本 血糖値を上げる唯一の栄養素は糖質です。糖質を多く含むのがごはん、パン、麺類などの炭水化物です。ただ炭水化物は食物繊維も多く含むので、過度な糖質制限は食物繊維不足を招きます。食物繊維は腸内細菌のエサになって、腸を元気にします。腸管には免疫を司る細胞があるので、腸が元気だと体全体の調子がよくなるんですね。それが糖質制限で食物繊維不足になると、免疫力が落ちてしまう恐れがあります。糖尿病の専門医も摂取カロリーの50%ぐらいは糖質を摂りましょうと言っています。

大平 1日3食をきちんと摂ったほうが体にいいのかどうか、朝食は摂らないほうがいいとも聞きますが?

金本 血糖値はゆるやかに上がり、ゆるやかに下がるのがいいです。急上昇急下降はしないほうがいい。朝食を食べないと昼食後の血糖値はボン! って上がります。1日1食になると、夕食後の血糖値はさらに急激に高くなります。

大平 それが体によくないんですね。

金本 そうです。食後の短時間にだけ血糖値が急上昇し、急下降することを「血糖値スパイク」(グルコーススパイク)と言って、血管を傷つける原因と言われています。動脈硬化が進行しやすくなり、脳梗塞、心筋梗塞などのリスクも高まります。この幅を小さくするには、1日3食がいい食べ方だと実証されています。また血糖値が急に上がると、それを下げようとインスリンが分泌されます。インスリンは糖を脂肪として溜め込むので、太る原因になります。

緑のラインは健康な人の血糖値の変化、赤は食後に血糖値が急上昇する「血糖値スパイク」を起こしている場合。血管が傷つき、動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが。もちろん太る要因にも。

大平 やっぱり朝食はとても重要なんですね。

金本 人は朝、光を浴びて体内時計をリセットします。朝食も同じで、食べることで体内時計がリセットされるので、体調を整えるには朝食が大切。脂肪蓄積モードから燃焼モードに切り替え、1日の消費エネルギーが増加する効果もあり、長期的に見れば朝食を食べている人のほうが、体重もコントロールしやすいんです。

『クロワッサン』941号より

●大平一枝さん 文筆家/朝日新聞デジタル&wで『東京の台所』連載中。著書に『紙さまの話』ほか多数。2月に『男と女の台所』が発売に。

●金本郁男さん 城西大学薬学部教授/薬学博士。2008年より現職。ゆるい糖質制限が持論。著書に、『朝食のとり方で病気にならない 太らない』など多数。

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