低カロリーで美容効果抜群。里芋の冷えとりレシピ。
撮影・小林キユウ スタイリング・渡邊美穂 文・一澤ひらり
寒さに耐え大地の滋養を蓄えて甘味が増した冬野菜の強みは、血行促進、体温保持効果に優れていること。
「とくに里芋、大根、人参などの根菜類は冷えを防止するのに有効です。肌のたるみ、むくみの一因は冷えなので、肌のハリを保つには必須の食材ですね」と、料理研究家の藤井恵さん。これに食物繊維が豊富なきのこや海藻、発酵食品の味噌、ヨーグルトなどをプラスすれば、腸内環境も整えられて美肌力がアップする。さらに良質なたんぱく質をしっかり摂ることがポイントだ。
「コラーゲンはたんぱく質のひとつですが、肌にハリや弾力を与えて、しわやたるみを防ぐ効果があると期待されています。鶏の砂肝や手羽先、豚のスペアリブや鮭などはコラーゲンが多い食材なので、冬野菜と一緒に調理することによって、これからの乾燥しがちな肌に潤いをもたらしてくれます」
これに生姜やねぎ、ターメリックなどの香味野菜やスパイスを効かせれば、さらに血行がよくなって肌ツヤツヤに。
【里芋】
芋類の中でも糖質が少なく、代謝を促すビタミンB群豊富な里芋。「独特のぬめり成分は免疫力を高め、粘膜を保護するだけでなく、たんぱく質の吸収をよくしてくれるので肉や魚との相性はバツグンです。食物繊維やカリウムもたっぷりで、便秘やむくみなど肌トラブルの原因の改善、予防になります」茹でこぼすとぬめり成分や水溶性のカリウムが流出するので、蒸すかレンジで加熱して調理したい。
これを知っておこう
洗った里芋を耐熱皿にのせてラップに包み、レンジ(600W)で6分加熱すれば皮がツルッとむける。
里芋そぼろの煮物
ひき肉を酒炒りするので、酒とひき肉のうまみが立ちダシ不要。里芋はレンジ加熱をすると、柔らかくなり味も入りやすい。
材料(2人分) 里芋6個 豚ひき肉150g 酒大さじ2 水1カップ A[しょうゆ小さじ2 砂糖小さじ1 塩小さじ⅓ みりん大さじ1] 柚子の皮少々(千切り)
作り方 ①里芋を洗ってラップに包み、レンジ(600W)で6分加熱し、粗熱をとってから皮をむく。②鍋にひき肉、酒を入れて混ぜ合わせる。火にかけて箸で混ぜながらひき肉の色が変わるまで炒め、水を加える。③煮立ったらアクを除いて里芋とAを加え、フタをして10~15分ほど汁が少し残るぐらいまで煮る。④器に盛り、柚子の皮をのせる。
里芋と手羽先のスープ
具材を全部一緒に煮るだけの手間いらず。手羽先と味付きザーサイのうまみでいい塩梅にスープの味がつく。生姜もたっぷり。
材料(2人分) 里芋4個 手羽先6本 生姜2かけ 味付きザーサイ40g A[酒大さじ2 水3カップ 塩小さじ⅓] 長ねぎ3㎝
作り方 ①里芋は皮をむき一口大に切る。手羽先は裏から切り込みを入れ、熱湯でサッと茹でて洗う。生姜は皮付きのまま薄切りにする。②鍋にAと①を入れて火にかけ、煮立ったらアクを除き10分煮る。③ ②にザーサイを加え、5~6分煮て塩(分量外)で味を調える。④器に盛り、細切りにしたねぎをのせる。
里芋のヨーグルトサラダ
カレー粉のカプサイシンで代謝を上げ、ヨーグルトの乳酸菌で腸を整える。これに里芋のぬめり成分が加わって、美肌効果満点。水切りヨーグルトの乳清はスープなどに。
材料(2人分) 里芋4個 紫玉ねぎ¹⁄₆個(みじん切り) 白ワインビネガー小さじ1 A[ヨーグルト1カップ 塩小さじ⅓ カレー粉小さじ1 オリーブ油小さじ2] 香菜1株
作り方 ①里芋を洗ってラップに包み、レンジ(600W)で6分加熱し、2分蒸らす。皮をむき、一口大に切る。②ヨーグルトはザルの上にペーパータオルを敷いて流し込み、10分ほどおいて水気を切る。③香菜は葉を摘み、飾り用に少し取りおいて、残りはみじん切りにする。④ボウルに紫玉ねぎ、ビネガーを入れて混ぜ、2分ほどなじませてからAを加えて混ぜ合わせる。⑤ ④に里芋、香菜のみじん切りを入れて和える。⑥器に盛り、飾り用の香菜を添える。
里芋と鮭のごま味噌炒め
鮭に含まれるアスタキサンチンは抗酸化力が強く、肌のハリやたるみに効き、合わせ調味料のごま味噌にはビタミンEとイソフラボンが含まれ、より美肌効果を高める。
材料(2人分) 里芋4個 生鮭2切れ 塩小さじ⅓ 酒小さじ1 こしょう少々 ごま油大さじ½ 赤唐辛子1本(小口切り) A[味噌大さじ1 砂糖小さじ½ しょうゆ小さじ1 酒大さじ2 すり白ごま大さじ1
作り方 ①里芋を洗ってラップに包み、レンジ(600W)で6分加熱し、2分蒸らす。皮をむき、一口大に切る。②生鮭を一口大のそぎ切りにする。塩をふり10分おき、水気をふいて酒、こしょうをまぶす。③フライパンにごま油を熱し、里芋と鮭を入れてこんがり焼く。④赤唐辛子を入れて炒め、混ぜ合わせたAを加え、全体を炒め合わせる。
『クロワッサン』938号より
●藤井恵さん 料理研究家/作りやすくて栄養バランスのとれた料理が人気。雑誌をはじめ、テレビ、イベントなどで幅広く活躍中。近著に『藤井恵さんの体にいいごはん献立』(学研プラス)。