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コリ解消は正しい「座り方」から──体へのストレスを最小限に、筋トレ効果も

日常生活で、睡眠時間を除けば、「座っている」時間はとても長いもの。改善することでコリから劇的に解放されます。理学療法士の山口正貴さんに基本の座り方、長時間座っているときの合間のリセット法などを教えてもらいました。

撮影・中島慶子 スタイリング・白男川清美 ヘア&メイク・遠藤芹菜 モデル・吉川莉那 イラストレーション・イオクサツキ 文・板倉みきこ

座り方

コリなどの不調改善に、最も簡単で効果的なのが日々の姿勢を正すこと。

「関節や骨に負担のかかる悪い姿勢=楽な姿勢から、日中の座り姿勢を正しい姿勢に変えると、不調は軽減します」(理学療法士・山口正貴さん)

そこで、まずは理学療法的に正しい姿勢をマスターしよう。ただ、いくら正しい姿勢でもずっと同じ姿勢でいると、筋肉疲労が生じる原因になる。

「体はよく動かし、柔軟性を保つことが大事だからです。たとえば、前かがみの姿勢が続いたら、後ろに反る動きをするなど、常に反対の動きを加え、不調をこまめにリセットしましょう」

【基本の座り方】顎を少し引いた状態で、横から見ると耳たぶ、肩、坐骨の線が一直線になる。股関節と膝はともに90度曲がり、両足の裏が床についているといい
【基本の座り方】顎を少し引いた状態で、横から見ると耳たぶ、肩、坐骨の線が一直線になる。股関節と膝はともに90度曲がり、両足の裏が床についているといい

背骨に負荷がかかりやすい座り姿勢。さらに座りっぱなしの時間が長いと、筋肉、靭帯、関節などへの負荷が増し、不調の温床となる。立っているとき同様、座り姿勢でも背骨のS字ラインを維持するのが、不調軽減の基本の座り方(左)。同時に、首、肩、腰に不具合を生む間違った座り方(下)の時間を減らしたい。「どちらの座り方にもメリットとデメリットがあります。筋肉を使った正しい座り方は疲れますが、骨や関節、靭帯などにかかるストレスは最小限で済み、筋トレもできます。猫背などの悪い姿勢は筋肉を休ませられますが、デメリットのほうが大きいので、正しい座り方をする時間を多くするよう心がけましょう」

【NGな座り方】

背骨がC字ラインを描く、背骨まわりの筋肉を使わない座り方。肩と首が前に出てしまい、首や肩、背骨に余計な負荷がかかる
背骨がC字ラインを描く、背骨まわりの筋肉を使わない座り方。肩と首が前に出てしまい、首や肩、背骨に余計な負荷がかかる
腰痛を招きやすい反り腰の座り方。原因は、椅子に浅く腰掛けている、椅子やデスクの高さが合っていない、床に足をつけていないなど
腰痛を招きやすい反り腰の座り方。原因は、椅子に浅く腰掛けている、椅子やデスクの高さが合っていない、床に足をつけていないなど
骨盤を後ろに倒し、骨盤中央下部にある仙骨で体重を受ける座り方。腰に大きな負担がかかり、背中や股関節まわりの筋肉も硬くなる
骨盤を後ろに倒し、骨盤中央下部にある仙骨で体重を受ける座り方。腰に大きな負担がかかり、背中や股関節まわりの筋肉も硬くなる
背骨がC字ラインを描く、背骨まわりの筋肉を使わない座り方。肩と首が前に出てしまい、首や肩、背骨に余計な負荷がかかる
腰痛を招きやすい反り腰の座り方。原因は、椅子に浅く腰掛けている、椅子やデスクの高さが合っていない、床に足をつけていないなど
骨盤を後ろに倒し、骨盤中央下部にある仙骨で体重を受ける座り方。腰に大きな負担がかかり、背中や股関節まわりの筋肉も硬くなる

【正しい座り方】

コリ解消は正しい「座り方」から──体へのストレスを最小限に、筋トレ効果も

背骨でなく、筋肉で体を支えるイメージで。背骨のS字カーブを維持

膝を90度に曲げて座れる椅子に深く腰掛け、背もたれを使わず、背筋を伸ばした状態で座っていれば、背骨のS字カーブは維持できる。「パソコン作業時は、キーボードを体に近づけ、背中と椅子の間にクッションなどを入れるといいでしょう。また、スマホを見るときは首が曲がって猫背になりがち。スマホを持つ手の肘を机の上にのせたり、もう片方の手で支えるなどして、できるだけ顔の真正面まで上げましょう」。筋肉を使った正しい座り方も、長時間続ければ負荷がかかる。「疲れを感じたら、すぐ立ち上がる、姿勢を変えてみるなどして、同じ姿勢をとり続けないでください。それが、コリや不調の予防に役立ちます」

【合間のリセット】

コリ解消は正しい「座り方」から──体へのストレスを最小限に、筋トレ効果も
コリ解消は正しい「座り方」から──体へのストレスを最小限に、筋トレ効果も
コリ解消は正しい「座り方」から──体へのストレスを最小限に、筋トレ効果も
コリ解消は正しい「座り方」から──体へのストレスを最小限に、筋トレ効果も

筋トレにもなる正しい座り方に疲れたら、疲れを溜めないリセットの動きを取り入れよう。「どれくらいの間隔で取り入れるといいかは、そのときの感覚次第です。時間や回数にこだわるより、疲れを感じたらリセットをするのがおすすめ。放置するとストレスが蓄積し、コリや痛みをもたらします」。椅子の背もたれを利用した背筋を伸ばす動きと、背中を思い切り丸める動きを繰り返して疲労をリセット。「普段猫背になる時間があっても大丈夫。それは体が求めた、疲労回復ポーズだからです。自分が猫背になっている、と自覚できるようになれば大きな進歩です」

地べた座りやソファに座るときは

椅子以外に座る際は要注意。ソファでは骨盤が後ろに倒れた“ずっこけ姿勢”になり関節や骨に負担がかかる。「時々、逆の姿勢をとることがコリの改善や予防になります。またクッションなどを腰の隙間に挟むのもいいでしょう」

床や地面に座るときは、一見ラクそうな体育座りやあぐらは、腰椎、胸椎が丸まり頸椎が反る(顎が上がる)ので体への負担が大きい。また横座りは背骨がねじれやすい。正しい姿勢を保ちやすいのは意外にも正座。「痛みやしびれを防ぐため座布団や正座用椅子を使うといいです」

座面も背面も柔らかく、骨盤が後ろに倒れた“ずっこけ姿勢”になりやすいソファ
座面も背面も柔らかく、骨盤が後ろに倒れた“ずっこけ姿勢”になりやすいソファ
お花見など地べた座りでも、S字ラインを保てる正座。痛みやしびれ予防に座布団を使用
お花見など地べた座りでも、S字ラインを保てる正座。痛みやしびれ予防に座布団を使用
ニット3万3000円(レキップ TEL:03-6861-7698) パンツ2万5300円(ハリス/金万 TEL:03-5477-8031) シューズ1万5400円(アシックス/アシックスジャパンカスタマーサポートセンター部)
  • 山口正貴

    山口正貴 さん (やまぐち・まさたか)

    理学療法士

    東京大学医学部附属病院リハビリテーション部所属。著書『「ねたままストレッチ」で腰痛は治る!』(集英社)など多数。

『クロワッサン』1159号より

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