疲れている時こそ動きなさい!? アクティブレストのすすめと基本のウォーキング&ストレッチ
撮影・小川朋央 スタイリング・白男川清美 ヘア&メイク・大谷亮治 イラストレーション・大石さちよ 構成&文・堀越和幸 撮影協力・UTUWA
アクティブレストとはいったい何か?
アクティブレストとは積極的休養を表す言葉で、消極的休養を表すパッシブレストと対をなす。同じ“休養”でも両者にはどんな違いがあるのか?
「軽い運動などで全身の血行を促進し体を活性化させることをアクティブレストと呼び、睡眠や安静など体を動かさずに休むことをパッシブレストと呼びます。私たちが普段“休養”と呼んでいるのはパッシブレストがほとんどですが、あえて体を動かすことで疲れを取る方法があるのです」
と、教えてくれたのは女性の体に寄り添ったエクササイズを指導してくれる、トレーナーの河村玲子さんだ。
こんな経験はないだろうか? なんだか疲れているので、休日は一日中ソファでゴロゴロ。が、それでかえってダルくなってしまった……。
「人間の体はそもそもがゴロゴロするようにプログラミングされていません。動くことで全身に酸素が巡り栄養が届けられるのです。それに同じ姿勢を続けていると筋肉が凝り固まり、それが元でさらに疲れることにもなります」
動くからこそ疲れが取れる、そのメカニズムを見ていこう。
なぜ、軽い運動をすれば疲れが取れるのか?
アクティブレストで疲れが取れる最大の理由は、軽度運動による血行の促進にある、と河村さんは言う。
「血管には動脈と静脈があります。動脈は自らが拍動して血液を全身に送りますが、静脈は動きません。代わりに静脈を取り囲む筋肉がその収縮運動によって血液を流します。動脈を流れる血液は酸素や栄養が豊富で、一方、静脈のほうは体じゅうの二酸化炭素や老廃物を回収する役割を担います。これが滞ってしまうと疲れの原因になります」
筋肉の運動により、静脈の血流を促す動きは“筋ポンプ作用”と呼ばれている(上イメージイラスト参照)。
「読者世代の女性は、ハードな運動による疲労というよりは、家事やデスクワークなどで運動不足による疲労が多いので、アクティブレストをもっと積極的に取り入れるべきでしょう」
体の疲れだけではなく、メンタル面にも好影響が
アクティブレストがリカバリーを促してくれるのは肉体面だけではない。実践してみるとわかるが、不思議と頭もスッキリする。
「軽い運動やリズミカルな運動は脳内ホルモンのセロトニンやエンドルフィンの分泌を促すことがわかっています。どちらも高揚感につながります」
そして、アクティブレストの代表的な運動として挙げられるのは、
「ウォーキングとストレッチです。例えば頭の中にストレスを抱えながらゴロゴロしているよりもよっぽど気持ちがリフレッシュするはず」
疲れたら、まずは基本のウォーキングとストレッチ
ウォーキング
疲れている時は、気分を変えることも大切だ。そんな際、ウォーキングは格好のアクティブレストになる。「いつもと違う町や自然がある場所を歩いてみましょう。新鮮な景色が刺激になります。歩く姿勢を保持して15分を目安にするのがおすすめです」(河村さん)
ストレッチ
両脚を大きく開いて床に座り、後ろについた両手で体を支えて脚を倒しながら上半身を左右に捻るストレッチ。「ほかのストレッチでももちろんOKですが、この種目を選んだのはこれ一つで肩周り、首周り、背骨、股関節が一気に伸ばせるから」。2〜3セットを目安に行う。
『クロワッサン』1149号より
広告