始めてみよう!【ストレッチ力】をアップさせる、フレイル予防エクササイズ。
撮影・黒川ひろみ 文・石飛カノ
【ストレッチ力】
呼吸が整ったら、凝り固まった筋肉をほぐすことから。運動不足と加齢で、背骨や肩甲骨まわりの筋肉が固まり、関節の動きが悪くなることで腰痛や肩こりが起きるのがフレイルの第一歩。
「特に固まりやすいのは、体の裏側の筋肉。たとえばお尻の深層にある梨状筋(りじょうきん)という筋肉をほぐせば、坐骨神経痛のリスクが軽減します。また、太ももの裏のハムストリングスをほぐすと前屈が楽になり、背骨をほぐすとしゃがみやすくなるなど、動かしやすい体になります」
梨状筋ストレッチ
椅子に浅く腰掛けて左足を右膝の上に乗せる。左手は膝、右手は足首に添える。そのまま上体を前に倒して組んだ足に体重をかけ、体を起こす。10回行ったら逆の足で10回。
ハムストリングスストレッチ
椅子に浅く腰掛けて片方の脚を伸ばし、かかとを床につける。両手は伸ばした太ももに添える。上体を前に倒しながら伸ばした脚とは反対側の手で爪先にタッチ。10回行ったら逆の足で。
背骨屈伸、骨盤ストレッチ
椅子に浅く腰掛け、両手を頭の後ろで組む。背すじを伸ばした姿勢から背中を丸め、おへそを覗き込み、骨盤を動かしながら背中を椅子の背に近づける。元の姿勢に戻り、10回行う。
始めてみよう!5つの力をアップさせる、フレイル予防エクササイズ。
身体的・社会的・精神的な要素のうち、最も着手しやすいのが身体的フレイルの予防。ジムに通わなくても、自宅で手軽に行えるエクササイズを実践すればOK。
教えてくれるのは理学療法士でトレーナーの中野渡菜奈美さん。
「自律神経を整える腹式呼吸、柔軟性を維持するストレッチ、下半身や体幹を鍛える筋トレ、転倒予防に役立つバランストレ、そして心拍数を上げる持久力トレ。5つのジャンルの運動を順番に行うとよいでしょう。1ジャンルから1種目を選んで毎日行いましょう」
得意な種目ばかりを行うのではなく、1週間5種目を行ったら、次の週は違う組み合わせで5種目というように、ローテーションしていくことが大事。
『クロワッサン』1127号より
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