50代以降は誰でも骨折の可能性が 始めよう、骨を強くする食生活
イラストレーション・浅妻健司 文・熊坂麻美
こんな人は要注意?
閉経後の女性
閉経後に女性ホルモンが著しく減少することで、破骨細胞の働きが活性化して、骨量が減りやすくなる。閉経以降の4人に1人が骨粗鬆症というデータもある。
親が骨粗鬆症
骨の老化は、遺伝の影響が70%ほどあるとされ、両親や祖父母が骨粗鬆症だったり、大腿骨頚部(太ももの骨と股関節の接合部)の骨折歴があると、リスクが高まる。
加工食品をよく食べる、偏食である
ハム類やカップ麺などの加工食品に多く含まれるリン酸塩は、過剰摂取するとカルシウムの排出を促したり、腎機能の低下を招く。偏りなくバランスよく食べることが大切。
痩せている
骨は適度な負荷がかかることにより新陳代謝が進むが、体重が少ないと、この仕組みが働きづらい。また食事量が少ないと、骨の形成に必要な栄養が不足しがちになる。
自分では気づきにくいけれど、加齢で骨の老化は確実に進む。特に女性は40代後半くらいから骨量の低下が早まる、と医学博士の常喜眞理さんは話す。
「骨は新陳代謝を繰り返し、破骨細胞による『分解・吸収』と、骨芽細胞による『形成』で作りかえられています。ところが、加齢や女性ホルモンの減少が影響し、骨の形成より分解が上回るのです」
「女性は50代以降、骨がもろくなる骨粗鬆症を抱える人が増え、骨折しやすくなります。実は私も昨年、転んで手をついた時に手首を骨折しましたが、このパターンが非常に多い。でも、骨は食事の見直しと運動によって、50代からでも必ず回復します。さっそく今日から始めましょう」
閉経以降は1年に1度骨密度の検査を受ける
できれば閉経前に骨量を測って自分の「基準値」を把握し、閉経後は1年に1度、測定して変化を確認するとよい。
「簡易検査もありますが、大腿骨と腰椎の正確な骨量を測れるデキサ法の検査は5年に1度は受けて。『若い人と比較した値』が69%以下だったら要治療。生活の見直しと同時に医師に相談を」
骨と筋肉を保つために体重を落とさないこと
骨を丈夫にしたければ、ダイエットは考えもの。
「極端な食事制限は、骨を支える筋肉が減るうえ、栄養不足で骨の老化が加速します。患者さんでも、よく食べて体重のある人ほど骨密度が高く元気。過度に肥満でなければ、体重は気にしないで。閉経後に増えやすい内臓脂肪は、有酸素運動で減らせます」
かかとに刺激を与える有酸素運動や筋トレを習慣に
つま先立ちから、かかとを床にストンと下ろす運動やジャンプ運動は、全身の骨に刺激を与えて骨芽細胞を活性化。骨の代謝を上げる効果がある。
「スクワットなどの筋トレは、筋肉を鍛えて骨の形成を促します。ウォーキングや水泳など、心拍数が適度に上がる有酸素運動も、継続すれば効果あり」
『クロワッサン』1127号より
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