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教えて、高尾美穂さん!変化の波をじょうずに乗り切る、更年期からの女性の健康

私たち女性の心と体は、変化の真っただ中にあります。だるさやホットフラッシュなどの症状が起こったり、体力の低下を実感したり、心のアップダウンが激しくなったり……。今までにない変化という大きな波を上手に乗りこなし、心身ともに健やかな毎日を送るための知恵を身につけましょう。

撮影・森山祐子 イラストレーション・竹井晴日 文・古屋美枝

変化8|実は最近、尿漏れします、デリケートゾーンのかゆみもひどくなってきました

Q. デリケートゾーンの悩みはありますか?(複数回答)

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なかなか人に相談しにくい、尿漏れやデリケートゾーンの問題。

「尿漏れの悩みは最近、年齢がどんどん下がってきている印象。対策としては、骨盤底筋を鍛えるエクササイズ。根気よく続けることで改善する可能性があります」

それでも良くならない場合は泌尿器科の受診も視野に入れて。また、更年期以降のデリケートゾーンのかゆみや不快なにおい、黒ずみなどの原因の多くは乾燥だという。

「乾燥している皮膚は弾力性がないので、下着などで摩擦されるようなことがあると刺激が直接神経に伝わってかゆみが出ることがあります。対策としては保湿が第一。お風呂上がりの習慣にしましょう」

高尾さんからのアドバイス

「尿漏れ対策のための骨盤底筋トレーニングについて、何をしていいかわからない人は、まずお尻の穴の前あたりをキュッと締めて体の内側に持ち上げるようなイメージで力を入れてみましょう。気づいたときに行うことで自然と骨盤底筋を鍛えることができます」

変化9|奥歯が割れて、ついに抜歯、口臭もひどくなってきたような…?

Q. 10年前に比べて、口まわりの老化を感じることはありますか?

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長年、同じように歯磨きをしているのに口臭が気になるようになってきたという声も。

「乾燥が原因のケースが多いです。エストロゲンの分泌が少なくなることによって、口内はもちろん全身、乾燥してしまうので」

唾液の分泌量が減ると、口腔内の自浄作用が低下し、歯周病リスクが高まる。

「歯周病は、糖尿病や虚血性の心疾患、認知症などの原因になることがわかっているので、そういった意味でも口腔内のケアには力を入れるべき。おすすめは、かかりつけの歯医者さんをつくって定期的に通うこと。こまめに通ってチェックをしてもらっていれば、ある日いきなり奥歯が割れた、などということはなく、未然に防げますから」

高尾さんからのアドバイス

「口腔内のチェックは3カ月に1度程度通うのがおすすめ。自分では絶対に取れない細かい部分の汚れや歯石などを取ってもらえるので、口臭対策にもなります。歯医者さんに定期的に通って口腔内を診てもらうことで、虫歯なども初期のうちに発見できるし、いいことずくめです」

変化10|「あの、あれ、あれよ」最近、固有名詞がさっぱり出てこない!

Q. 10年前に比べて、 頭の老化を感じることはありますか?

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年齢を重ねるごとに固有名詞が出てこなくなる現象。今以上に記憶力を低下させないためにはどうしたらいいのだろうか。

「そのままにせず、自分なりに検索するなりして正解までたどり着くことがとても大切です。ヒントとなる検索ワードを入れて探し出す、ということが脳トレになりますから」

もしかすると固有名詞をすぐに思い出せないということは、認知症の第一歩?

「40〜50代で認知症というのはまだ早いとはいえ、この年代からの睡眠不足など生活習慣の影響による、脳内のタンパク質の蓄積が原因の一つといわれます。ただWHOの認知症予防のガイドラインが出ていたりと、“予防の可能性がある”ことは希望だと思います」

変化11|昔は定期的に体のケアをしていたけれど、今はほぼ何もしていません

Q. 体のために、健康グッズをチェックしたり、使ったりしていますか?

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健康グッズを使っているという人はたったの1.67%。“持っていること”で運動するモチベーションになるものであれば、取り入れるのも一つの手。

「運動のための取り組みって、ほとんどの人がしていないのが現状。たとえば私はスマートウォッチを使っているんですが、歩数や心拍数などを測ってみるだけでも運動に対する意識が変わると思うんです」

アンケートを見ると、通勤時に自転車や徒歩などの運動を取り入れているという人が26%。たしかに数値で歩数や消費カロリーを見ることができれば励みにもなりそう。

「まずは目を向けるところから。興味を持って楽しく運動できるグッズを見つけましょう」

高尾さんからのアドバイス

「私が長年愛用しているのは、〈骨盤職人〉という、骨盤まわりをほぐすことができるグッズ。腰や背中を乗せて寝るだけで、気持ちよくマッサージできるので、ヨガの最後のシャバアーサナのときに取り入れています。自分の生活にフィットして、使うのが楽しみになるようなグッズがあるといいですよね」

  • 高尾美穂

    高尾美穂 さん (たかお・みほ)

    「イーク表参道」副院長

    産婦人科医、医学博士、婦人科スポーツドクター。著書は『娘と話す、からだ・こころ・性のこと』(朝日新聞出版)など。本誌連載も好評。

『クロワッサン』1127号より

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