岡崎友紀さん、人工股関節で「脚だけ30歳若返ったみたい」
撮影・天日恵美子 ヘア&メイク・遠藤芹菜 文・中嶋茉莉花
岡崎友紀さん(歌手、俳優)
熟睡できるようになって感動。足の爪を自分で切れたり、擦り寄ってくる猫をすぐに抱き上げられる。
歌手で俳優の岡崎友紀さん。1970年代、人気ドラマで一世を風靡した当時と変わらぬ愛らしさだ。笑顔の裏で約2年前、「変形性股関節症」で、両脚の人工股関節置換術を受けている。
「脚の付け根の違和感から始まり、痛みを自覚するようになったのが40代。我慢できる程度だったので、ミュージカルで踊ったり、ゴルフをしたり。そうしたら60代に入る頃には、座る、立ち上がるという動作で激痛が走るように。床の物を拾う、靴下を履くといった簡単なことすらできなくなりました」
幼い頃からバレエを習い、公私で踊りに縁のあった岡崎さん。「柔軟性への自負が仇となった」と振り返る。
「まさか股関節に問題があるとは思わなかったんです。運動不足と思い込んでいた。それでむしろ脚を動かそうとヨガやら何やら張り切ってしまって。その後は悪化の一途。ズボンやストッキングの脱ぎ穿きに大苦戦しました」
専門医にはすぐに手術を勧められた。
「レントゲンを撮ってみたら、球状であるはずの大腿骨の頭の部分が両方とも四角く変形していたんです。コロコロと動くはずの部位がこれじゃあ、脚が使えるわけがありません。片方ずつ、3カ月の時差をつけて手術を受けました」
術後すぐにシャワーも浴びられたそうで「麻酔から覚めたら脚が元どおりといっても言い過ぎじゃない」と話す。
「異物が入った違和感や“中”の痛みは皆無。例えるなら部品交換ですよね。車椅子で1日半過ごし、次は歩行器、その次に杖2本で支え、1本で歩けるようになったらもう退院です。入院期間は右で9日間、左で1週間。以前は痛みで横たわるのも大ごとで、長らく熟睡できなかったのが、術後すぐに仰向けで寝られるようになって感動しました。脚だけ30歳若返ったみたい」
術後は、1年ほどリハビリに通い、痛みで使えずにいた股関節周りの筋肉を呼び覚ます治療を続けた。
「周辺の筋肉を鍛え、股関節をサポートできるのが理想なんだそうです」
今は万が一の脱臼を避けるため脚を組まない、走らない、乗馬はしないなどの注意を払うが、普通の生活を送る。
「猫をスッと抱き上げられるようになったことも、もううれしくてね。痛みに耐えていた時間を無駄にした思いです。だから、痛みを我慢している人には、『我慢するだけ損よ、手術を考えたら』と言いたくなるんです」
『クロワッサン』1135号より
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