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適正な量の炭水化物が若さの秘訣ーー血糖値を上手にコントロール

ダイエットの敵とみなされ、とかく悪者にされがちな炭水化物。でも、本当は脳と体のために必要不可欠なもの。炭水化物との上手な付き合い方を知りたい!

イラストレーション・John Danon 文・黒澤 彩 構成・中條裕子

「みんな、もっともっと炭水化物を摂っていいんですよ」と話すのは、栄養学者の笠岡誠一さん。ダイエットや体調維持のために炭水化物を減らすことは本末転倒なのだという。

「まず、炭水化物に含まれる糖質は、人にとって大切なエネルギー源です。エネルギーというと、体を動かすものと思うかもしれませんが、心臓が動いたり肺が機能しているのもこのおかげ。エネルギーの源となる糖質を摂ることは、生きることそのものなのです」

生命を維持するために不可欠な糖質を制限すると、何が起きるのか?体はとにかくエネルギーを必要としているので、糖質が足りなければ、たんぱく質などほかの栄養を取り崩して使っていくことに。炭水化物を減らしてたんぱく質を摂ったところで、筋肉量を保ちつつ痩せることは叶わないというのだ。

「エネルギーが満たされていてはじめて、たんぱく質は筋肉をつくれます。炭水化物を減らすことで体重が減ったとしても、減っているのは筋肉なので、健康的とはいえません。体重はわかりやすい指標ですが、本当は体組成計で筋肉量なども測ることが大事です。また、中高齢の女性はややぽっちゃりめが健康ともいわれているので、痩せすぎにも気をつけたいですね」

さらに、ご飯やパンには炭水化物だけでなく、食物繊維やミネラルなども含まれている。これらの食べ物を控えることで、食物繊維まで減ってしまうというデメリットも知っておこう。

「高齢者に便秘の人が多いのは、食が細くなるから。健康と長寿を考えれば、50代からは痩せるよりも、炭水化物をしっかり食べることを意識しましょう」

そもそも糖質の役割とは?

糖質は、生きるために必須のエネルギー源。人は365日、寝ているあいだもエネルギーを使うので毎日摂る必要がある。消化によってブドウ糖に分解され、小腸で吸収されたのち血液中に運ばれ、最終的にアデノシン三リン酸という物質になり、各組織でエネルギー源として利用される。

適正な量の炭水化物が若さの秘訣ーー血糖値を上手にコントロール

脳への影響

もっとも糖質を必要としているのは脳。体全体のエネルギーの20%を脳が消費する。不足すると集中力が低下…

もっとも糖質を必要としているのは脳。体全体のエネルギーの20%を脳が消費する。不足すると集中力が低下し、ぼーっとする状態に。記憶力にも影響が。

体への影響

適正な量の炭水化物が若さの秘訣ーー血糖値を上手にコントロール

糖質が不足すると、代わりにたんぱく質を分解してエネルギー源にしようとするので、本来、たんぱく質で維持するべき筋肉量が減ってしまう。

糖質≠炭水化物

炭水化物は糖質の代表のように思われがちだが、「炭水化物=糖質+食物繊維」であることに注目しよう。炭水化物に含まれる、食物繊維と同様の働きをする難消化性でんぷんなどが腸内細菌のエサになり、体に有益な短鎖脂肪酸を生み出すので、炭水化物不足は腸内環境の悪化につながる。

糖質には種類があり、ブドウ糖や果糖といった甘さが際立つ糖類、ブドウ糖が鎖のように連なったでんぷんなど…

糖質には種類があり、ブドウ糖や果糖といった甘さが際立つ糖類、ブドウ糖が鎖のように連なったでんぷんなどの糖質、そこに食物繊維が加わった炭水化物が。順に体内への吸収が遅くなり血糖値の上がり方も緩やかに。

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