秋冬の注目コスメを総ざらい。美肌の源"潤い"をどう保つ?
撮影・天日恵美子(人物)、久々江 満(物) ヘア&メイク・田中康世(cheekone) 構成&文・今井 恵
肌に必要な成分を見極め、コスメを選ぶ人も増えてきた。
宇野 今年もうひとつ驚いたのが、WEBの記事を執筆する際に編集部からリクエストが多かった〝成分〟企画。正直、成分の話って読者にとっておもしろいのかな?と思いつつ、医師や研究者に取材して書いたんですが、予想以上にこれが読まれたんです。
植村 最近、成分から化粧品を選ぶ人が多いですからね。
倉田 シカ成分(抗炎症)のブームも、まさにそんな感じでしたよね。
植村 やはり韓国コスメの影響が大きいんでしょうね。あちらは成分名が製品名になるぐらいだもの。若い世代はお値段も手頃な韓国コスメを手に取りがちで、彼女たちの親世代がちょうど私たち(笑)。ママも好きな韓国ドラマの話を娘としながら「使ってみようかな」となっているんじゃないかしら。
倉田 そういう意味で、ディオールのヒアルショットとレチショットは上手なネーミングだなと思いました。
宇野 レチはレチノールでシワに効く、ヒアルはヒアルロン酸で水分保持と、知っている人にはダイレクトに伝わりやすいですものね。
︱ ディオール ︱カプチュール トータル ヒアルショット
2種類のヒアルロン酸を組み合わせた複合体を高配合し、柔らかくふっくらハリのある肌へ、内側から満たすように導く美容液。日中、メイクの上から塗布しても。
今の季節に必要なお手入れ、そして加える化粧品は?
倉田 もうすでに肌に過酷な季節が始まっていますが、皆さんはスキンケアの中で何を重視していますか?
植村 冬の乾燥で肌が確実にごわつくじゃないですか? だから肌に合わせて、拭き取りローションでもいいし、ゴマージュでもいいから、角質ケアをいつものお手入れに一品足すというのが40代以降の肌には必要かなと。
倉田 たしかに必要。でも角質ケアのあと、やりっぱなしではダメですね。むしろ普段よりきちんと保湿しないとかえって乾燥を招いてしまうから、気をつけないとね。
宇野 私は季節の変わり目に敏感に傾きがちなので、角質ケアは慎重に行っています。むしろ健康な状態のときだったら、クレンジングを替えます。ある意味、植村さんと同じ発想かな。やはりこの時季は肌が硬くなって、余分なものが肌表面に蓄積する感じがするんです。だからクレンジングを保湿力の高いものに替え、念入りに。そうすると必要な潤いをキープしながら洗えるし、洗い上がりの肌がふくっとする。肌が敏感に傾くのも、スキンケアを替えるひとつのサインだと思っています。
倉田 そうね、私もこの時季はクレンジングと保湿を押さえればなんとかなる!と思うぐらい重視しています。でも肌の潤いを取りすぎないクレンジングをお勧めすると「それじゃさっぱりしない」という人も多くて。
宇野 本当、おっしゃるとおり。日本人は総じてベタベタが嫌いですよね。
倉田 今年、改めてメイクアップリムーバーが大事だなとも思ったんです。ヘアメイクアップアーティストの吉川康雄さんが作ったUNMIX(アンミックス)のリムーバーがとてもよくて。リムーバーの新作は久しぶりじゃない?と思ったところ、やはり使っている人が圧倒的に少ないアイテムなんですって。
︱ UNMIX ︱メイクアップリムーバー
落としにくいアイメイクからファンデーションまで、優しい感触でしっかりオフ。落とした後肌がしっとり整うので、メイクをやり直す際もスキンケアの必要なく、そのままメイクができるほど。
植村 リムーバーを使わないなんて、それこそスキンケアを間違えていますよね。しっかりアイメイクをしたら、リムーバーできちんと落としてからクレンジングを使うことが必要なのに、目元も顔全体も一度に落とそうと強いクレンジングを選んで、ごしごし落とす。それでは肌が荒れちゃいます。ぜひリムーバーを使ってください。
倉田 油分で目元がベタベタにならないし、マイルドな使い心地なのにしっかりメイクが落ちます。一日に何度もモデルの顔をメイクしては落とす、プロならではの発想だと思いました。
宇野 取材で聞いたんですが、メイク側も進化しているから簡単に落ちないものもあるんですよって。私はシュウウエムラのブラック クレンジング オイルが好きなんですが、軽い使い心地なのに、夏に活躍したフィット感の高いUVやウォータープルーフのメイクもするっと落としてくれました。上半期はこういった水っぽいオイルがたくさん登場しましたが、肌の乾燥が気になる人は、この時季はジェルやミルクのクレンジングがいいかもしれません。
︱ シュウ ウエムラ ︱ブラック クレンジング オイル
「落とす×整える」のWの効果を目指して備長炭と黒米の"黒"に着目。毛穴汚れを吸着し、毛穴の奥まで洗浄し、なめらかに肌を整える。オイリー〜混合肌、毛穴が気になる人に。
倉田 私、クレンジングはミルク派。
植村 私はジェル派です。ちょっと目元ケアについて語ってもいいですか。
倉田 どうぞ、どうぞ。
植村 シスレーのスプレミヤ アイ クリームは、かなりお高いものなんですが、年末の自分へのご褒美&投資です。これだけ毎日スマホやパソコンで目を酷使しているので、10年前のアイケアでは足りないと考えたほうがいいと思うんです。とにかくこのゆるいテクスチャーが、薄い目の周りの皮膚に負担をかけず、かつ広範囲に塗れるんです。むくみや眼窩脂肪にもアプローチしてくれるし。
︱ シスレー ︱スプレミヤ アイ クリーム
天然由来の独自成分F.R コンプレックスが、夜間の肌サイクルに同期し、シワ、たるみ、むくみ、クマなどあらゆる目元悩みにアプローチ。専用マッサージツール付き。
倉田 SENSAIから出たアイクリームも、目元周りのかなり広範囲に塗るべき、と言ってましたものね。
宇野 マッサージツールもユニークですよね。
植村 そうなんです。私は使い始めてかなり目の周りの悩みがマシになってきました。製品はお好みがあると思いますが、スキンケアにアイケアは絶対に取り入れるべきだと思います。
宇野 真逆の価格帯でお勧めしたいのがオルビスのショットプラス ナノNCローション。オルビスの小林琢磨社長にインタビューする機会があって、あえてこの時期にドラッグストアコスメに参入する、いわゆる価格と販路で「生活者を取り残さず製品をお届けしたい」という想いをうかがって、感銘を受けたんです。何度も話して申し訳ないんですが、私は地方出身者なので、百貨店が近くになかった経験がある。だから買いやすい化粧品というのが、ものすごく大きなポイントだと思って。実際、全国的に「化粧品をどこで買いますか?」と調査をすると、約8割がドラッグストアとECなんですよ。1,210円という手を伸ばしやすい価格のローションに、ポーラ化成の技術が盛り込まれているんだから、これを買わない手はないですよね。
︱ オルビス ︱ショットプラス ナノNCローション
エイジングケアのための美容成分を、毛穴の1000分の1サイズにナノ化することで角層まで浸透。肌にのせると瞬時に溶け込み、しっとり吸い付くよう。くすみやハリが気になる肌に。
冬の肌に必要な角質ケアと保湿。大豊作の美容液にもトライを。
倉田 やはりスキンケアは毎日続けることが大切という観点からすると、それも選択肢のひとつですよね。植村さんがおっしゃる、10年前とは肌を取り巻く環境が違うのだから、肌にしっかり投資をするという気持ちもよくわかるし、宇野さんがおっしゃる手が届きやすい場所と価格に化粧品がある、というのもとても大切だと思います。
宇野 そう考えると、あとは自分の選択肢ですよね。
植村 そうそう、プチプラに優秀な化粧品が増えてきたのは本当にうれしい。使いやすいですからね。
倉田 私たちの共通意見としては、やはり年齢肌は、冬場にこそ適度な角質ケアを行うのがマストということ。
宇野 はい、その選択肢はゴマージュを使う、クレンジングを替えるなど、それぞれの肌に合わせてで。
植村 その際の落とし方は、とにかく丁寧に。できればポイントメイクはリムーバーで先に落とす。
倉田 その後の肌には徹底的に保湿を。今年は美容液が大豊作だから、ぜひ今まで使ったことのないものも試してみてほしいですね。
宇野 それは絶対にお勧めです!
『クロワッサン』1130号より
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