反り腰に“手ぬぐいボール”! 筋肉ほぐしとツボ刺激でラクになる。
撮影・岩本慶三 モデル・碓氷彩乃 スタイリング・高島聖子 ヘア&メイク・木下庸子 イラストレーション・ヨツモトユキ
反り腰|骨盤と股関節をつなぐ筋肉をほぐして骨盤を正常な位置に。
【すぐラクに!】
骨盤を前傾させている筋肉の緊張を緩める。
長時間の座り仕事や生活、あるいは加齢により、姿勢維持に関係する筋肉のバランスが崩れると、骨盤が前傾したり後傾する。反り腰は、骨盤が前傾した状態で直立しようとするために起き、腰部に過度な負担がかかって不調が生じやすい。解消するには、骨盤を本来の位置に戻すことが先決だ。
「骨盤の側部から股関節につながる大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)が固まってしまうと、骨盤が斜め下に引っ張られて前傾し、反り腰の原因になります。すぐラクになるには、この筋肉をほぐすことです」
筋肉のこわばりがひどい場合、体を壁に強く押しつけてもよい。
ココにあてる
骨盤上部の出っ張りから脚の付け根に伸びる大腿筋膜張筋。その中央にボールをあてる。
横から見ると
ボールが腰と壁にギュッと挟まれているのがわかる。膝を動かすことで刺激部位を変えても。
ほぐす
左側をほぐす場合。左足を前に両脚を開き、ボールをあてた腰部を中心に、壁に体重をかける。柄は手と壁に挟んで固定。
【根本的に】
姿勢維持に欠かせない部位をほぐす習慣を。
「反り腰には、根本的な対策も必要です。カギになるのが、胸腰筋膜(きょうようきんまく)です。この筋膜は腰部を中心に広がり、姿勢維持に重要な背中の大きい筋肉や、脇腹の筋肉、お尻の筋肉をつないでいます。つまり、胸腰筋膜が柔軟性を失うと、これらの筋肉のバランスが崩れてしまいます」
当然、姿勢や動きの要になる骨盤のポジションに影響するだけでなく、さまざまな部位の痛みやコリの原因にもなる。
「日常的に胸腰筋膜をほぐしておきましょう。手ぬぐいボールを大きく動かしてまんべんなくケアするのがコツです」
ココにあてる
多くの筋肉をつなぐ胸腰筋膜。ボールが大きく動くよう柄にゆとりを持たせて握ろう。
横から見ると
この姿勢で膝を曲げ伸ばしすれば、上下にほぐせる。あわせて下半身トレーニングにも。
ほぐす
壁に体重を預けたら、股関節を使い、左右にゆっくり動かす。ボールが動いて広範囲をほぐしてくれる。
時間があればやっておきたい
体を反らす動きにかかわる筋肉をほぐして反り腰対策。
背骨についている筋肉が多裂筋(たれつきん)。体を反らしたり、横に倒すときに働く筋肉。小さい筋肉だが、腰回りの背骨につく部分は太く大きい。ここをほぐすことも反り腰対策に有効だ。
股関節の動きに作用する筋肉の緊張にも要注意。
腰部の骨と太ももをつなぐ腸腰筋(ちょうようきん)は、股関節の曲げ伸ばしにかかわる筋肉。長時間の座り姿勢や加齢によって固まりがちで、筋肉の緊張が続くと骨盤のポジションに悪影響を及ぼす。
[ココにあてる]
[うつぶせ状態で]
衰えやすい太もも内側の筋肉にも刺激を入れよう。
太ももの内側にある筋肉、内転筋群は骨盤につながる。普段の生活で鍛えにくい筋肉で、緊張したり衰えると骨盤を支える筋肉全体のバランスが崩れるため、刺激を入れることも大切。
『クロワッサン』1110号より