日本人の3分の1が脂肪肝という時代、肝臓をケアして痩せ体質になる生活習慣7カ条。
イラストレーション・John Danon 文・恒木綾子
肝臓をケアして痩せ体質になる生活習慣7カ条。
脂肪肝を改善するには、これまでの食事や生活習慣を見直すことが何より大切。
大いに摂りたいものと控えたいもの、これから紹介する7つの極意を習慣にして、肝臓をいたわり、痩せ体質を目指そう。
ポイント1|米、パン、麺などの 主食は半分の量に。
「米やパン、麺などはすべて脂肪になりやすい精製糖質で、砂糖と同じと考えるべき。まずは主食の量を減らすことが脂肪肝改善の最短コースです。目標とする糖質量は1日トータルで70〜130g。ごはん半膳、食パン6枚切り1枚、うどん半玉、パスタ35gに含まれる糖質量が約25gなので、おかずと合わせて1食の合計糖質量を40gに収めるように意識しましょう」
ポイント2|野菜は倍の量に。
「米やパン、麺の中には食物繊維が含まれているので、糖質制限をすると大多数の人が便秘になります。腸の中に蓄積された便は、エネルギーとして余分な栄養素まで取り込んでしまうため、結果太りやすい状態に。1日あたりの摂取目安量、両手にこんもり350gの野菜から食物繊維を充分に摂ることで、便秘を予防するのはもちろん、満腹感が出て食欲抑制にも繋がります」
ポイント3|果物はジュースではなく、そのままゆっくり食べる。
「果糖には肝臓の細胞を傷つける作用がありますが、その吸収スピードによって体への影響は大きく変わります。食物繊維と一緒にゆっくりと吸収されれば、小腸の酵素の働きでブドウ糖に変わる。一方、飲み物で摂ってしまうと酵素の働きが間に合わず、果糖のまま肝臓へ向かうことに。ですから、食後のデザートとしてそのまま食べるのが正解です」
ポイント4|タンパク質は体重1kg あたり1gをバランス良く。
「人体の糖の貯蔵庫は肝臓と筋肉だけ。脂肪肝の人は肝臓が満室の状態なので、筋肉量まで減ると貯蔵しきれない糖が増え、その糖が中性脂肪に変えられてしまいます。そのため、筋肉を落とさず痩せることが脂肪肝を改善する必須条件。体重(kg)あたり1gのタンパク質が1日の摂取量の目安ですが、タンパク質は一気に吸収できないので、3回に分けてバランス良く摂取を」
ポイント5|主食を控える分、水分を意識して摂ろう。
「米や麺類には多くの水分が含まれているため、主食を制限すると無意識のうちに体が水分不足に。その結果、便秘を招くだけでなく、肝臓への血流の量が落ちて、かえって太りやすくなってしまいます。ダイエット中こそ、意識して水分を摂ることが大切。とくに、果糖ブドウ糖液糖や人工甘味料が一切含まれていない水、お茶、ブラックコーヒーがおすすめです」
ポイント6|加工食品を控える。
「加工食品には甘い飲み物と同様に、果糖ブドウ糖液糖に加えて食品添加物が多く含まれています。肝臓はせっせと解毒作業に励まなくてはいけなくなるので、せっかく糖質を控えても肝臓は休まりません。とくに、スナック菓子やカップ麺をはじめとする果糖ブドウ糖液糖入り、高脂肪、塩分多め、低食物繊維、低タンパク質の〝超加工食品〞は控えるようにしてください」
ポイント7|夜の過ごし方が肝臓ケア生活を決める。
「夜勤があるシフト労働者の中には、脂肪肝を抱えている人がとても多いです。その理由は遅い食事時間。人間の体は夜に脂肪が蓄積されやすいので、夜10時以降に食事をする習慣がある人はトータルのエネルギー量が同じでも脂肪肝になりやすい。エネルギーが脂肪化されないよう、就寝前2時間は食事を取らず、寝酒も控えて」。カフェインレスのハーブティーなどを楽しみたい。
『クロワッサン』1121号より
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